組踊の美を伝える 横浜能楽堂で復帰50年公演 


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組踊「女物狂」を演じる新垣悟さん(左端)、嘉手苅林一さん(右端)ら=3日、神奈川県の横浜能楽堂

 【神奈川で藤村謙吾】沖縄の日本復帰50年を記念した横浜能楽堂の企画公演「男の組踊 女の舞踊」の1日目公演が3日、神奈川県横浜市の同堂で開かれた。4日まで。一線で活躍する男性の立方を中心に、組踊の創始者・玉城朝薫の五番より、組踊「二童敵討」と「女物狂」を上演した。立方指導は重要無形文化財「組踊立方」人間国宝の宮城能鳳さんが務めた。

 来場者は琉球古典音楽の調べに聞き入った。「二童敵討」で、酔ったあまおへ=阿麻和利=が、鶴松・亀千代兄弟に、陣羽織などを脱いで褒美として与える場面では、笑い声が上がるなど、物語も一緒に楽しんでいる様子が見られた。

 夫婦で観劇した神奈川県内在住の夫婦は「紅型の衣装がきれいだった。せりふのメロディーもすてきで、しばらく口ずさむと思う。地謡の歌声や演奏も美しかった」と話した。

 4日公演は重文「琉球舞踊立方」人間国宝の宮城幸子さんと志田房子さんの独舞など、舞踊9題を上演する。