建設内装業などを展開するエイト産業(豊見城市)の山里賢太社長は8月、木製家具製作販売の平田工房(西原町、平田浩克社長)に対し、山里氏個人による企業の合併・買収(M&A)で事業承継を実施した。琉球銀行(那覇市、川上康頭取)が仲介、支援をした。平田工房の社長に山里氏が就任し、従業員や取引業者も引き継いだ。今後、両社の連携による相乗効果を発揮し業績拡大を図る。
平田工房は1962年に創業し、平田氏で3代目。木工などに関する有資格者が多く、公共工事やホテル、マンションといった大型工事を得意としている。
ただ、平田工房には後継者がおらず、平田氏が第三者承継を検討する中で2021年3月に琉銀に相談した。琉銀が7月に支援を始め、エイト産業社長の山里氏を紹介。22年3月に基本合意書を締結していた。
エイト産業では新規事業を模索しており、類似した事業の平田工房をM&Aすることで受注拡大や仕入れコスト削減などの相乗効果が期待できることから成約に至った。
山里氏は「事業を拡大したいという思いの中で紹介を受けた。平田工房を残すことで幅広い営業活動ができる。同じ事業を連携して行うことも可能で、双方にとってメリットがある」と語り、事業承継を喜んだ。
承継後に社長から相談役となった平田氏は「取引先からは建設工事もできないかと相談を寄せられたこともあった。エイト産業との協業でこれまでできなかったこともできるようになる」と話し、両社のさらなる発展に期待した。 (小波津智也)