「なりたい自分を目指す場所に」元バスケ日本代表の伊集さん、実家のコートを子どもらに貸し出す 沖縄・八重瀬町


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伊集南さん(左端)の名前を冠したコートの開設記念バスケ教室に参加した子どもたち=8月28日、八重瀬町

 【八重瀬】八重瀬町出身の元バスケットボール女子日本代表・伊集南さんの実家(同町)にあるバスケコートが8月28日、子どもらに貸し出す「M.IJU バスケットボールコート バイ ディーナゲッツ」として開業した。運営するインディペンデンス(東京都、近藤洋介社長)によると、バスケ選手の名前を冠し、功績をたたえるネーミングコートは日本初だという。伊集さんは「子どもたちが何かに夢中になったり、なりたい自分を目指したりするきっかけづくりの場所になればいい」と期待する。

 伊集さんは女子バスケチーム「デンソーアイリス」や3人制日本代表などで活躍した。現在はバスケ女子日本リーグ(Wリーグ)理事などを務める。

 実家は伊集さんの父で1級建築士の守良さんが設計し、1991年に建設した。「子どもたちがアルプスの少女ハイジのように伸び伸びと遊べるように」との思いから、小さな体育館のような約50平方メートルの「プレールーム」を設けた。

 伊集さんは「ここでいろんな遊びをしたり、NBAの試合映像を見てまねたりした。この場所があったから今の私がいる」と振り返る。

子どもたちにバスケを教える伊集南さん

 大学進学後は使われていなかったが、今年2月に伊集さんが近藤社長に相談し、FIBAバスケワールドカップ2023沖縄開催の1年前記念も兼ねて貸し出しが決まった。

 近藤社長は「子どもたちが『伊集さんのようになりたい』と目標を持てる場所になればいい。野球、サッカー以外は日本代表レベルでも名前が残りにくい。沖縄からネーミングコートの動きを起こしたい」と話す。

 オープン当日は八重瀬町の小学生11人を対象に、伊集さんのバスケ教室も開かれた。参加した具志頭小学校4年の児童は「伊集さんはシュートがきれい。日本代表のようなかっこいいプレーができるようになりたい」と話した。

 コートの利用対象者は15歳までの子どもと保護者、全女子バスケ選手。定休日は水曜、祝日。料金は平日1時間6千円、土日1時間7千円。今後、宿泊もできるようにする予定。

 問い合わせはインディペンデンスの金谷康平さん(電話)080(9852)0004。
 (伊佐尚記)