高江機動隊派遣、二審も住民敗訴 高裁那覇支部、控訴を棄却 住民側は上告する方針


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 米軍北部訓練場のヘリパッド建設工事の警備で、東村高江周辺に6都府県から派遣された機動隊の燃料費などを県が支出したのは違法だとして、当時の県警本部長らに約910万円を請求するよう、市民14人が県に求めた住民訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部は6日、住民の請求を棄却した一審那覇地裁判決を支持し、住民側の控訴を棄却した。住民側は上告する方針。

 住民側は、機動隊派遣は、国家間の合意に基づく米軍基地建設工事のためで、費用は国が負担すべきだと主張していた。谷口豊裁判長は判決理由で、工事自体は国家的な事業だとしつつ、今回の警備は「県内の道路交通に関して安全などを図るもの」だとし、県が負担すべきだとした。

 北部訓練場のN1地区ゲート前に市民が設置したテントを、沖縄防衛局が撤去したことについては「所有者の了解なく撤去できる根拠は不明」と疑問視。一方で「テントの財産的な価値は必ずしも高くはない」などとして、警察が防衛局の行為を放置したことへの違法性は否定した。

 同種の訴訟は東京や名古屋、福岡の地裁でも起こされ、名古屋高裁で住民が逆転勝訴している。原告の男性は「今日の判決は非常に残念な結果だが、一審より少しは進んだ点がある」と述べた。東京と名古屋の訴訟が最高裁で係争中であることに触れ「連帯しながら今後も頑張っていきたい」と意欲を示した。