北中城、後半猛攻で突き放す エースの末吉が10奪三振の力投<県高校野球秋季大会>


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那覇西―北中城 7回、先頭打者を遊ゴロに打ち取り笑顔を見せる北中城の末吉世奈

 第72回県高校野球秋季大会第2日は7日、那覇市の沖縄セルラースタジアム那覇と北谷町のアグレスタジアム北谷で1回戦4試合を行った。美里は石川に10―8で競り勝った。球陽は9―4で南風原に逆転勝利を果たした。北山は美来工科を6―1で退けた。北中城は那覇西を15―5の八回コールドで下した。第3日の8日は、両球場で1回戦3試合が行われる。

エース末吉 10奪三振力投

 互いに点を取り合うシーソーゲームとなったが、北中城の右腕エース末吉世奈が耐え抜いた。1人で140球を投げ、11安打されながらも10奪三振の力投。後半は左ふくらはぎをつりながら気力で投げた。

 初回は三者凡退で上々の滑り出しだったが、三回で相手打線につかまった。直球の制球が乱れ、甘く入った所をたたかれた。無死満塁で二塁打を浴び走者を一掃されると、ベンチに敗戦ムードが漂った。しかし末吉の気持ちは折れなかった。嶺井政彦監督は「抑えてくれそうな雰囲気があった」と続投を決めた。

 その後は内角を攻めたり、直球から変化球主体に切り替えたりした。女房役の大城琉生(るい)は投手出身で1週間前に捕手になったばかり。「一緒に(配球を)考えたらどうにか抑えられた」と一息ついた。エースの踏ん張りに打線も15安打15得点で奮起した。

 末吉が夢見るのは、県大会の先にある沖縄開催の九州大会に出場すること。そのためにも「県大会で決勝へ行きたい」と力を込めた。
 (金良孝矢)

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 ●敗戦後チームで反省点を話し合った那覇西の武富幸生(こうき)主将 前半は良かったが、後半で思うような試合運びができず悔しい。ヒットが多く出て、打線がつながる部分があったのは収穫だった。来年の春夏に向け、メンタルや体力を強化していきたい。