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「VUCA」の時代 想定外に合わせた対応を <けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 IT環境の整備やグローバル化など、ビジネスを取り巻く環境は著しく変化し、さらに昨今では、パンデミックや国家間の紛争などさまざまな要素が重なり合い、先行きが見えない状況が続いています。まさに、VUCA(ブーカ)の時代です。VUCAとは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字をつなぎ合わせた造語です。

 VUCAの時代では、これまでの常識と考えられてきたビジネスモデルや社会制度などが通用しなくなる可能性があります。今年7月に国連が発表した報告書では、世界人口は依然増加しており、今年11月に80億人に到達し、2058年には約100億人に到達する見込みです。

 一方、日本国内は「人口減少・少子高齢化」が深刻な問題として取り上げられ、生産年齢人口の減少に伴う労働力不足への対応など、これまで経験したことがない時代に入っています。沖縄県の人口も、合計特殊出生率は全国1位を維持しているものの、今後は減少に転じると予想されています。

 人口減少・少子高齢化が進むと地域の過疎化や労働人口の減少から企業の経営が立ち行かなくなるなど、現在のビジネスモデルを維持できなくなる可能性が少なくありません。

 変化が激しく、想定外のことが起こり、未来予想が難しくなる状況だからこそ、ビジネスモデルの再構築や働き方改革など、このダイナミックな動きに合わせた積極的な対応が求められています。

(沖縄銀行法人事業部調査役 奥原宗一郎)