SUP世界選手権 田口がテクニカルで銅 成長を実感、次戦へ闘志


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テクニカル1キロで力強いパドルさばきを見せる田口頼(右)=11日、ポーランドのグディニャ(提供)
銅メダルを胸に笑顔を見せる田口頼(右)(提供)

SUP(スタンドアップパドルボード)のICF(国際カヌー連盟)世界選手権が9月7~11日まで、ポーランドのグディニャで行われた。男子オープンクラスに出場した田口頼(18)=今帰仁中―本部・八洲学園大国際高出、SIC MAUI所属=がサーフ技術を競うテクニカル1キロで3位に入り、銅メダルを獲得した。短距離で争うスプリント180メートルで4位、ロングディスタンス16キロは10位に入った。女子オープンクラスの奥秋李果(29)=SIC Japan所属=はテクニカルで5位に入った。スプリントはA決勝を逃したが、B決勝で3位となり総合は11位。ロングディスタンスも11位だった。ジュニアの宮平琥太朗(15)はスプリント11位、ロングディスタンスで9位だった。

田口頼がテクニカルで世界3位をつかみ、成長した姿を見せた。「オープンクラスでアジア人初のメダルだったので、めちゃめちゃうれしい」と素直に喜んだ。カヌーのヨーロッパチャンピオンなど世界各地からトップ選手がエントリー。「国内、アジア大会とは格段にレベルが違った。そういう環境でレースができて楽しくてしょうがなかった」と心躍らせてレースに挑んだ。

女子オープンクラステクニカルで5位の奥秋李果(左)

種目を一つに絞って出場する選手が多い中、田口はこの大会3種目に出場。テクニカルは決勝を含め4戦、スプリントは6戦をこなした。ロングディスタンスだけは1発決勝だった。「予選から勝ち上がらねばならず、きつい部分もあった」と体力勝負を振り返った。

テクニカル1キロ決勝はスタートで出遅れたが、200メートル地点で6番手まで追い上げた。徐々にペースを上げて他の選手を追い越し、3位でゴール。「1位と4秒差でトップも狙える位置だった」と悔しさもにじませた。3年ぶりの大会開催に「コロナ禍でも変わらずに積んできた練習の成果が出せた」と声を弾ませた。

9月はイギリス、韓国、12月はフランス、スペインで開催されるワールドツアーに出場する。世界を股にかけ「全ての大会で上位を目指したい」と闘志を燃やした。
(大城三太)