民主主義「壊滅的な状況」 那覇で学習会 改憲論に識者警鐘


社会
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関西大の高作正博教授のオンライン講演に耳を傾ける参加者ら=14日、那覇市の教育福祉会館

 改憲問題について学ぼうと、県憲法普及協議会は14日、那覇市の教育福祉会館で学習会を開いた。関西大の高作正博教授(憲法)がオンラインで講演し、ロシアのウクライナ侵攻後、改憲議論が一時盛り上がったことに触れ、抑止力論などの問題点を解説した。公文書の改ざんや破棄によって共通の事実が失われているとし「民主主義は壊滅的な状況だ」と訴えた。

 オンラインも含め、約50人が参加した。高作教授は、軍拡について「周辺諸国を必ず刺激する。望ましい選択ではない」と強調。核兵器の保有による抑止効果は証明不可能だとした。

 度重なる公文書の隠蔽(いんぺい)、改ざん、破棄によって事実が確定しにくくなっているとし「ポスト真実やフェイクニュースが登場し、まともな議論が成立せず、非難の応酬となり、分断が広がる」と警鐘を鳴らした。つながりをつくって連帯し、事実を獲得する活動が重要だとし「非常に難しいが、じわじわ解決していくしかない」と述べた。

(前森智香子)