沖縄のETC利用率66%、全国最下位 県内限定で車載器設置費用1万5000円程度を補助へ 2030年までに専用化の方針「間に合わない」と危機感 沖縄自動車道促進協


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 沖縄自動車道の自動料金収受システム(ETC)の利用促進に向けた取り組みが本格化している。国が2030年ごろまでに沖縄道を含めた全国の高速道路をETC専用化する方針を示している中、沖縄のETC利用率は全国平均より約30ポイント低い最下位だった。西日本高速道路(NEXCO西日本)と県、国が6月に設置した沖縄自動車道利用促進協議会では「このペースでは期限に間に合わない」との危機感が示された。県内限定でETC車載器設置費用を補助するほか、利用促進に向けたプロモーションを展開する予定だ。

 21年度末時点の沖縄道はETC利用率は66.5%で、全国平均の93.8%と比べて27.3ポイント低かった。沖縄道では年間140回程度料金所で渋滞が発生しているが、ETC利用率が90%になれば渋滞はほぼ解消される見通し。

 県は今年1~2月にアンケートを実施し、沖縄道利用者計2338人から回答を得た。非ETC利用者の44.1%が「車載器の設置費用が掛かるから」と回答した。次いで26.6%が「利用しなくても不便ではない」、24.7%が「登録手続きが面倒」と回答した。

 また同協議会によると、車社会の沖縄は1世帯当たりの車の所有数量は全国より1.1倍多い中、中古車の所有数量は全国より2.3倍高い。一般的にETC未搭載の比率が高い中古車が市場に広く出回っていることが普及が進まない一因とした。

 NEXCO西日本はアンケート結果を踏まえ、8月から11月までの間、購入から4カ月以上の車約1万7千台を対象として、車載器購入と設置費用の1万5千円程度(ETCマイレージポイントを含む)を補助する。県もETC利用促進に向けたプロモーション事業を実施する予定だ。

 NEXCO西日本の担当者は「沖縄道を含む全国の高速道路のETC専用化は30年ごろを目標にしている。今後のETCの普及状況などをみて、専用化を予定通りに実施するかを総合的に判断する」と述べた。
 (梅田正覚、武井悠)

料金の支払いで渋滞する沖縄自動車道の許田料金所=2012年5月