「エイサーを世界に」結成時から憧れの舞台はウチナーンチュ大会 沖国生らの「琉球風車」


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「ぜひ演舞をさせてほしい」と語る、琉球風車を立ち上げた初代会長の仲本大樹さん(左)と現会長で19代目の佐久原琉也さん

 【宜野湾】世界のウチナーンチュ大会での演舞を夢見る団体がある。沖縄国際大学の学生を中心にしたエイサー団体「琉球風車(かじまやー)」だ。地謡三線の音色など沖縄の伝統文化を世界へ発信することをテーマにこれまで活動を続けてきた。19代目会長で沖国大4年の佐久原琉也さん(21)は「同大会は結成の時から『いつかは…』との憧れの舞台と聞いてきた。任せていただける機会をぜひつくってほしい」と願う。

 琉球風車は、当時、沖国大生だった初代会長の仲本大樹さん(39)が「地元の枠にとらわれるなくエイサーを楽しみ、世界中に発信できる団体をつくりたい」との思いから2001年に立ち上げたエイサーサークル。各地の青年会や琉舞、空手を習うメンバーの意見を参考に、畑仕事などの所作も取り入れたオリジナル演舞を作り上げた。これまで約千人が在籍し現在も社会人支部などを含め約130人が所属する。

 現会長の佐久原さんは「ウチナーのアイデンティティーを大切にして、多様な価値観への理解、次世代継承など同大会の理念と合致した活動を展開してきた」と胸を張る。

 琉球風車は、大会1年前から県の事務局にオープニングやグランドフィナーレへのエイサー演舞の出演交渉をしてきた。一方で、世界規模のイベントのため、演舞は海外に支部がある団体が担当することが多く、限定的となっている。

沖縄市内の祭りで演舞を披露する琉球風車=2019年7月(提供)

 「大会は5年に一度。何回もチャレンジしたい思いはあるが、条件的に厳しい面もある」と初代会長の仲本さんは漏らす。施政権返還(日本復帰)50年となることしは「特に特別な年」として演舞に掛ける強い思いを語る。

 もし同大会の出演がかなった際には、琉球風車が結成した時の最初の演舞曲「守礼の島」(新城精栄作詞・作曲)の披露を考えているという。

 「守礼の島に 夜は明けて 白百合の花匂う あぁ御万人(うまんちゅ) 心(くくる)合ち(ああち) 咲かしゃびら 平和花(へいわばな)」(守礼の島の夜が明け、白百合の花の香りが広がる。ああ、すべての人が心を一つにして平和の花を咲かせましょう)。

 仲本さんが歌詞を口ずさみ「沖縄の伝統文化とともに歌詞にある平和への思いも世界中に届けたい」と語ると、横に座る佐久原さんも強くうなずいた。
 (新垣若菜)