島で鍛えた足で勝負 宮古特支の丸山さん、陸上中距離に出場 全国障がい者スポーツ大会


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学校のグラウンドで走り込む丸山璃恩さん=22日午前、宮古島市平良狩俣(県立宮古特別支援学校提供)

 【宮古島】青い空の下で黙々と走り続ける。「呼吸リズムを一定に」「走るフォームに気をつけて」。県立宮古特別支援学校高等部3年の丸山璃恩(りおん)さん(17)が栃木県で10月29日に開幕する全国障がい者スポーツ大会に、県代表として出場する。走る力を全国に初披露する宮古島の韋駄天(いだてん)は、「体力をつけて精いっぱい頑張る」と意気込んでいる。

 丸山さんは宮古島から唯一の県代表に選ばれ、800メートルと1500メートルに出場する。「長い距離は初めて。緊張している」と少し不安をのぞかせつつも、「練習しているから大丈夫」と笑った。

 小さい頃から体を動かすことが好きだった。兄が野球をやっていたこともあり、小中と野球に打ち込んだが、高校から陸上を始めた。「野球より走るのが好きだった。走っていると気持ちいい。すっきりするから」と話す。

 高校生になってから取り組み始めた陸上だったが、天賦の才があった。めきめきと記録を伸ばし、2021年の県特別支援学校体育大会の100メートルに出場すると、県記録(15秒07)に肉薄する15秒11で見事、優勝した。

 学校での練習は毎週水、金の2回。ジョギングに筋力トレーニング、インターバル走をして、体幹などをみっちりと鍛える。加えて毎日、市内の自宅近くを約1時間、走り続けている。「走っている最中が一番楽しい。タイムは気にしてない。走ることが目的だから」とさらりと語る。

 全国大会の目標は「優勝は大きすぎる」とはにかんだ後、「島の代表としてとにかく精いっぱい走りたい」と目を輝かせた。担任の森陽平教諭は「楽しんで来てほしい。出場して得た経験を学校に帰ってきて他の生徒にも伝えてくれたらうれしい」と話した。

(佐野真慈)