【記者解説】翁長氏出馬表明、「反辺野古」打ち出した背景は 知事選の勝利を追い風に


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那覇市長選への立候補を表明する翁長雄治氏(中央)=25日午前、那覇市松尾のホテル(又吉康秀撮影)

 「オール沖縄」勢力が擁立した翁長雄治氏(35)は出馬会見で子育て支援や子どもの権利など、子育て関連の政策を最も重視する考えを示した。同時に辺野古新基地建設への反対姿勢を明確にし、自民、公明両党が推薦する前副市長の知念覚氏(59)との違いを打ち出した。

 会見では玉城デニー知事も隣に座り、「市長選でも(普天間飛行場の県内移設断念などを求める)建白書の実現と誰一人取り残さない社会の実現という大きな方向性で市民、県民に理解を求めたい」と訴えた。知事選と同様に市長選でも辺野古を争点の一つに位置付け、知事選勝利の勢いに乗りたい考えだ。

 知念氏は事務所開きのあいさつなどで、これまでの実績を強調している。翁長氏は経験不足を指摘される可能性もあるが、「議会で多くのことを取り上げ、子どもの医療費無償化も前に進めてきた。民間での経験や今、子育てをしているという経験も持ち合わせている。実績不足や経験不足との指摘は全く当たらない」と強調した。

 ただ具体的な政策は今後発表するとしており、説得力のある政策を示して政策論争を深めることが求められる。「城間幹子市長の系譜を歩む」とする翁長氏にとって、どの候補を支持するかを表明していない城間氏の支援を得られるかも鍵となる。

(伊佐尚記)