興南、逆転満塁ホームラン 4強決定 1年久高、初球逃さず 県高校野球秋季大会


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 第72回県高校野球秋季大会第13日は25日、北谷町のアグレスタジアム北谷、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準々決勝4試合を行い、4強が決まった。興南は北山に10―3の七回コールド勝ちを収め、3年連続26度目の4強に入った。準決勝は10月1日、コザしんきんスタジアムで興南―沖縄尚学、糸満―ウェルネス沖縄の2試合を行う。


 

興南―北山 2回2死満塁、右越えに満塁本塁打を放つ興南の久高学士=25日、コザしんきんスタジアム(小川昌宏撮影)

 初球を振り抜いた打球は右翼ポール際に吸い込まれた。二回2死満塁。興南の1年久高学士はストライクを取りに来た内角の直球を見逃さず、一振りで試合をひっくり返した。高校に入って公式戦初本塁打にも「チームバッティングだけを考えた結果」と淡々と受け止めた。チームは二回以降を無失点で切り抜け、第1シードの貫禄を見せて準決勝進出を決めた。

 初回に3点を先制されたが、直後に久高の中前打を足掛かりに1点を返した。四回には久高の2点適時打でリードを広げた。初球はボール球を空振りしたが、2球目を左前に運んだ。

 新人中央大会では打席でボールを見送ることが多かったという。今大会は積極的に振ることを徹底し、調子が上向いた。「初球は甘い球が来やすい」と、この日は3打数3安打6打点と攻撃をけん引した。チーム全体でも、我喜屋優監督の「ファーストストライク、スイングは打てる」という教えを遂行し、連打につなげた。

 次戦は好敵手の沖縄尚学が相手だ。この日は無失策で切り抜けたことから、久高は「打率がいい沖尚に守り勝ちたい」と必勝を誓った。

(謝花史哲)