普天間返還「期限明示を」宜野湾市長要求に防衛相、回答なし


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松川正則宜野湾市長(右)と並んだ形で面談する浜田靖一防衛相=28日午後、宜野湾市役所(代表撮影)

 【宜野湾】就任後初めて来県した浜田靖一防衛相は28日、宜野湾市役所を訪れ、屋上で松川正則市長の説明を受けながら米軍普天間飛行場を視察した。視察後、両氏は面談し、松川市長は市長選で公約に掲げた普天間飛行場の返還期日を明示することのほか、名護市辺野古の新基地への普天間飛行場常駐機の段階的移駐などを求めたが、浜田防衛相から具体的な回答はなかった。

 市役所屋上から普天間飛行場を視察した浜田防衛相に対し、松川市長は基地が市街地の中心に位置し、周辺には住宅や学校などが密集し危険な状況にあることを説明した。

 面談は両氏が横並びの形で行われ、冒頭のみ公開された。松川市長は飛行場の返還期日を具体的に示すことのほか、約3割の埋め立てが完了している辺野古新基地へ常駐機の段階的移駐、飛行場周辺で有機フッ素化合物(PFAS)が検出されたことの原因究明と解決への協力などを要請した。浜田防衛相は「非常に重く受け止めている。一つ一つ着実に結果を出したい」と答えた。

 面談後、取材に応じた松川市長によると、返還時期の具体的な回答はなかったが「いつまでも示せないということではないと思う」と今後の進展に期待した。また、段階的移駐について「具体的な案を作って要請したい」と年内にも上京し、改めて要請する考えを示した。 (名嘉一心)