ヤンバルクイナのリハビリ施設が着工、2月完成へ 全国から支援1000万円  沖縄・国頭村


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ヤンバルクイナ・リハビリセンター安全祈願祭で鍬入れを行う(左から)比嘉明男理事長、知花靖国頭村長、長嶺隆理事長=9日、国頭村の安田くいなふれあい公園

 【国頭】ヤンバルクイナ・リハビリセンターの起工式・安全祈願祭が9日、沖縄県国頭村安田くいなふれあい公園敷地内であった。施設はNPO法人やんばる・地域活性サポートセンターとNPO法人どうぶつたちの病院沖縄の共同運営。公園内のヤンバルクイナ生態展示学習施設に隣接して建てられる。

 安全祈願祭にはサポートセンターの比嘉明男理事長、どうぶつたちの病院の長嶺隆理事長、知花靖国頭村長、上地哲安田区長、環境省やんばる自然保護事務所職員らが参加した。来年2月の落成に向け、工事の安全を祈願した。

 施設では、交通事故などさまざまな原因でけがをして保護されたヤンバルクイナについて、野生復帰に必要なリハビリを行う。昨年9月にやんばる・地域活性サポートセンターがSNSなどで呼びかけ、クラウドファンティングを実施。全国から多くの支援が送られ、約1千万円の資金が集まった。

 比嘉、長嶺両理事長は、あいさつで施設の建設に至った経緯を説明。全国から寄せられた支援に感謝の意を述べた。長嶺理事長は「リハビリする場所が少なくて困っていた。全国の皆さんの支援を受けてセンターができ、本当にありがたい。期待している」と述べた。比嘉理事長は「できたらこの施設を使わないで(事故を)ゼロにした方がいい。しっかりリハビリ・治療してもらい野生復帰できるようにしたい」と話した。

 知花村長は「非常に意義のある施設だ。これからも関係機関としっかりと連携を取りながら、ヤンバルクイナなど希少種の保護・保全に努めたい」とあいさつした。

(新城高仁通信員)