10、11月に沖縄を訪れる国内観光客、コロナ前超えの見通し 「おきなわ彩発見NEXT」効果


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 沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB、下地芳郎会長)は29日、10月と11月の国内からの入域観光客数が、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年同月を上回る見通しだと発表した。20年2月以降初めて、19年同月比で上回ると予想している。修学旅行の回復や、10月11日に始まる観光需要喚起策「おきなわ彩発見NEXT(ネクスト)」の効果が大きいと見込んでいる。

 県がまとめている国内からの入域観光客数は19年10月が62万800人、同11月が60万100人だった。OCVBの見通しでは、22年10月は65万人(19年比4.7%増)、11月は64万5千人(同7.5%増)としている。

 背景には旅行需要の順調な回復がある。22年9月は台風の接近が相次ぎ需要に鈍りもみられたが、10月にかけて東京発沖縄行きの航空便は堅調に推移。10月11日からは、沖縄を目的地とする旅行に対して割引する彩発見NEXTが始まる。修学旅行についても、OCVBの調査によると10~12月に16万9669人の予約が見込まれ、1~9月の累計5万9038人を大幅に上回る勢いだ。

 22年8月まで2年5カ月ゼロが続いた海外からの観光客についても、韓国や台湾、香港と那覇を結ぶ航空便が順次再開されることから、徐々に回復が見通されている。

 一方で、観光客数の増加に伴いレンタカーや貸し切りバスの車両、運転手やガイド、ホテルスタッフなどの人手が不足して供給が追いついていない状況があり、受け入れ態勢の整備が急務になっている。OCVBの下地会長は「これだけマーケットが戻ってくるので、サービスが低下しないことが重要になる。インバウンドの支援策も含めて、スムーズな方策を見いだしたい」と語った。 (當山幸都)