沖縄でも急増 値上げ前の駆け込み需要 スーパーで酒類や食品のまとめ買い


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店頭の目立つ場所に設置された酒類の棚=27日、南風原町のイオン南風原店

 さまざまな品目の値上げが迫る中、県内でも量販店やスーパーで少しでも安いうちに購入しておこうと、食品や生活用品、酒類などの“駆け込み需要”が伸びている。

 県内小売最大手のサンエーでは、大手メーカーが約14年ぶりに缶ビールなどの酒類を値上げすることを受け、ビールや発泡酒をケースでまとめ買いする客が増えているという。

 広報担当者によると、9月の国産ビール(ケース)の売り上げは前年同月比6割増、発泡酒や缶酎ハイなどその他の酒類も1~2割増えた。「特に単価の高い商品の売れ行きが好調で、30日はさらに駆け込み需要が増えるだろう」と見込んでいる。

 イオン琉球も酒類ニーズの高まりを受け、店頭の目立つ場所にケース商品を陳列。9月末まで一部メーカーを対象としたまとめ買いの割引キャンペーンを実施するなど消費喚起に力を注ぐ。

 帝国データバンクによると、10月に値上げする食品は年内最多となる6500品目で、食品値上げによる家計負担額は年間6万8760円増えると見込んでいる

 プライベートブランド(PB)「トップバリュ」を展開するイオンは、今年7月に食品・日用品のうちマヨネーズなど3品目を値上げしたが、その他PB約6千品目は10月以降も据え置く方針だ。イオン琉球の担当者は「あらゆるモノの価格が高騰する今こそ、少しでも家計の助けになりたい」と話す。

 イオン南風原店でビールや乾麺をまとめて購入した50代男性は「保存のきく商品ならストックできる。家計の負担が増えるため、価格と品質に納得いく商品しか買わなくなるだろう」と話した。
 (当銘千絵)