【記者解説】新振計の効果検証を厳格化 実施期間の短期化に「目先に成果にとらわれないか」と懸念の声も


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 新・沖縄21世紀ビジョン実施計画は、施策効果の検証手法をより厳格化した。さらに従来5年ごとに策定してきた実施計画を3年ごとに短縮するなど、国が示した今後10年間の「沖縄振興基本方針」に盛り込まれた「エビデンス(科学的根拠)に基づく施策の展開・検証」と「施行後5年以内の検討・見直し」に基づき対応した。

 国は財政難を背景として予算の選択と集中を図ろうとしている。その中で、計画の見直し期限は26年度末に迎える。

 県によると、まだ国から見直しの具体策や手法は示されていないが、より短期で施策の効果を検証し、対応方針を打ち出すため実施計画期間を縮めた。庁内からは「より目先の成果にとらわれ、長期的な目標を追えなくなるのではないか」との懸念も持ち上がる。

 さらに長期的視点でみると、沖縄への特別措置は第6次振計で終了する可能性もある。県は選択と集中の論理に対抗するためにも、施策の効果検証の精度を高め、第6次振計終了後の展開も早期に検証する必要がある。
 (梅田正覚)