琉球新報社 第72回県高校野球秋季大会は10月1日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準決勝2試合を行う。午前10時開始予定の第1試合は昨年覇者の興南と、2年ぶりの頂点を狙う沖縄尚学の強豪同士が相まみえる。第2試合は4強唯一のノーシード糸満と、初の4強入りのウェルネス沖縄が対戦する。決勝へ進出する2校は、県内で10月22～28日に開催される第151回九州地区大会の出場権を得る。同大会は来春、甲子園で行われる選抜大会出場の参考資料となる。甲子園へとつながる九州を懸けた4校の戦力や試合の見どころを紹介する。（金良孝矢）
【糸満×ウェルネス】見どころ
新人中央大会1回戦ではウェルネス沖縄が4―3で糸満に勝利。糸満が雪辱を果たすか、ウェルネス沖縄が初の九州大会出場をかなえるかが注目だ。互いに長打力があり、点の取り合いも予想される。エースの仕上がりや継投のタイミングも試合を左右しそうだ。
＜糸満＞先発城間が流れつくる
［攻撃力］
チーム打率は3割2分。1～4番に大城涼真、柳沢壮、前原惺凪（せな）、西村心平ら打率4割超の打者をそろえ、着実に点を狙う。ノーステップ打法で打球角度30度を意識したスタイルを心がける。4強最多の三振数（1試合平均5・5）は強打の裏返しだ。
［守備力］
背番号10の城間奨太が先発して試合の流れをつくり、エースの前原惺凪、1年の黒島悠希が救援して抑えるのが勝ちパターン。左腕の城間、前原が2本柱。制球力のある城間は徹底的に低めに球を集め、前原は本調子ではないが気持ちで投げ切る。
九州につなげたい
宮城琉斗主将 ゴロの処理など守備面に課題が残る。次戦以降はその点を改善して勝ち、九州大会につなげたい。
来た球を打つだけ
眞玉橋元博監督 選手の長打力はそれぞれ同じくらいなので、次の試合も来た球を思いっきり振って打っていくだけだ。
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＜ウェルネス＞4番中心に高い得点力
［攻撃力］
初戦から準々決勝までの3試合で32得点（1試合平均10・67）と4強で一番得点力が高い。チームトップ打率6割3分6厘を誇る4番當銘愛渉（あいる）を中心に攻撃の手は緩めない。大型1年の5番大濱安綺は準々決勝で3点本塁打を放つなど勢いが出てきた。
［守備力］
防御率1割ちょうどの右腕エース上原律己がチームをけん引する。3回戦、準々決勝で完投し試合ごとに成長している。捕手の新城琉愛（るきあ）が要所で走者を補殺に仕留めるなどしてエースをもり立てる。安里幸大、山内大輝ら豊富な投手陣も控える。
自分たちの野球を
宜野座凜主将 九州大会へ行くことを目指してやっていきたい。これまでとやることは変わらず、自分たちの野球をやりたい。
アウト確実に取る
五十嵐康朗監督 九州大会出場が懸かる一番大事な試合になる。万全を期していきたい。アウトを一つ一つ取る姿勢で臨みたい。
