キングス頂点へ発進 開幕戦勝利、昨季王者の宇都宮に81-52 堅守で圧倒、フリッピン活躍


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 8022人の観客の大声援を受けて、昨季王者に完勝した。プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは1日、沖縄市の沖縄アリーナで宇都宮ブレックスとシーズン開幕戦を行い、81―52で勝利した。キングスは試合開始直後から激しい守備で相手のリズムを崩し、コー・フリッピンや田代直希の速攻などで得点を重ねた。第2クオーター(Q)の序盤は得点が伸び悩んだが、堅守を維持して失点を抑えた。第3Qはミスが続き、ファウルも重なる苦しい時間があった。それでもタイムアウトで悪い流れを切ると、松脇圭志の3点弾などで大量リードを奪い、勝利を大きく引き寄せた。キングスは2日午後6時5分から、同会場で宇都宮と第2戦を行う。
 

(沖縄アリーナ、8022人)
琉球 1勝
 81―52(16―10,21―9,29―18,15―15)
宇都宮 1敗

 【評】キングスが攻守で主導権を握り快勝した。厳しいマークで相手のミスを誘発。ボールを奪うと速攻でリング下に切り込んだほか、外からもシュートを決めた。連係不足からミスが出る場面もあったが、最後までリードを維持した。宇都宮はシュートが思うように決まらず、波に乗れなかった。


 

琉球―宇都宮 第3Q、宇都宮のアイザック・フォトゥをかわし、シュートを放つキングスのコー・フリッピン=1日、沖縄市の沖縄アリーナ(ジャン松元撮影)

 昨季の悔しさを晴らすようにキングスの選手が躍動した。これまで築き上げてきた激しい守備はそのままに、内外から得点する高い攻撃力も見せた。昨季のチャンピオンシップ決勝で敗れた宇都宮を撃破し、桶谷大HCは「よくやってくれた」とうなずく。

 チームを引っ張ったのはコー・フリッピンだった。積極的にリングに向かって得点を量産し、相手の守備を引きつけると仲間にパスをさばいた。15得点6アシストと、司令塔としての能力の高さも見せた。「いい準備ができていたので楽しめた」と振り返る。

 昨季の決勝で苦しめられた宇都宮の比江島慎に対しては、今村佳太など各選手がプレッシャーを与え続けた。今村は「誰が出てもディフェンスの強度が落ちなかった」と言う。守備を破られても互いにサポートし、宇都宮の得点を抑え込んだ。

 昨季は苦手としていた相手のゾーン守備を攻略する場面もあり、チームの変化も垣間見えた。一方で攻撃の連係がかみ合わない時間もあり、指揮官は「まだまだ完璧ではない」と認める。シーズンは始まったばかり。一つ一つ課題を乗り越えたその先に、キングスが目指す場所がある。

(平安太一)


新加入の松脇 存在感発揮 しつこい防御 3点弾を連発

 新加入の松脇圭志が攻守で存在感を示した。第1Q途中からコートに立つと、キングスの強みである堅守を体現するように、しつこく相手選手に食らいついた。チームが苦しんだ第3Qには、連続で3点弾を沈めてリードを広げるきっかけをつくった。

琉球―宇都宮 第3Q、激しく切り込みシュートを放つキングスの松脇圭志=1日、沖縄市の沖縄アリーナ(ジャン松元撮影)

 この日は9得点3アシスト、2スチールと力を発揮した。3点弾と堅守という持ち味に加えて、仲間を生かすプレーも見せてチームに貢献した。桶谷大HCは「チームにとってプラスになる選手だ。今年のキングスの強みになってくれる」と称賛した。

(平安太一)


「ハード」さ奏功

 桶谷大HC(キングス)の話 出場する選手がそれぞれハードにプレーして、守備のところでもフィジカルにやってくれた。それが相手の判断を悪くし、リバウンドをしっかり拾って自分たちの攻撃につなげられた。宇都宮は守備がいいチームなので、次戦でもチャレンジしたい。
 

試合制御された

 佐々宜央HC(宇都宮)の話 序盤は我慢比べの展開になったが、ターンオーバーをして相手に流れを与えてしまったのが大きかった。リバウンドを含めて、キングスにコントロールされた。キングスは強い気持ちとプライドを持って戦っていた。