沖尚、11安打でライバル圧倒 九州へ弾み 県高校野球秋季大会


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 高校野球の第72回秋季大会第14日は1日、沖縄市のコザしんきんスタジアムで準決勝2試合を行い、第151回九州地区大会(22~28日、県内開催)に出場する県代表2校が決まった。沖縄尚学は、第1シードで昨秋優勝の興南に8―1の七回コールド勝ちを収めた。2年ぶり16度目の決勝進出で、九州大会出場は4季ぶり26度目。ウェルネス沖縄は、糸満を4―1で下した。1年生大会を除いて県大会での決勝進出は初めて。九州も初出場となる。沖尚とウェルネス沖縄の決勝は2日午後1時から、同球場で行われる。2017年の秋季九州大会まで開催県の出場枠は4校だったが、18年から2校となっている。


 

興南―沖縄尚学 4回2死満塁、中前適時打を放つ沖尚の仲田侑仁=1日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(ジャン松元撮影)

 沖縄尚学が「永遠のライバル」(比嘉公也監督)である興南に打ち勝った。4強でチーム打率トップ(4割4分5厘)を誇る相手を4安打に抑えると、打線は11安打と圧倒。コールド勝ちで、九州大会に向けて弾みを付けた。

 初回と二回は出塁するも併殺に仕留められた。しかし安打や四球で走者をためた三回2死一、二塁。3番仲田侑仁(ゆうと)が2番手投手の投げた2球目の変化球を捉える。打球は左中間を破る二塁打となって2者が生還。続く4番川満渚生(しょう)の中前適時打で仲田がかえり3点目とした。

 四回にも2死満塁で適時打を放った仲田は緊張で初回から両足がつっていたという。夏の選手権沖縄大会決勝、新人中央大会準決勝で敗れた因縁の相手との大一番を気力で乗り切り、「負け続けていたので勝てて良かった」と胸を張った。

 下位打線も奮闘。8番からの三回、7番からの四回はいずれも得点に結び付けた。五回は2死から下位が出塁。塁を埋めると1番知花慎之助が三塁打で流れを渡さなかった。知花は「もっとつなぐ意識を持ち、自分たちの野球ができるよう頑張りたい」と決勝に向けて気を引き締めた。

(金良孝矢)


東恩納、エースの力 「4割打線」1失点に抑え

興南打線を7回1失点に抑える好投を見せた沖縄尚学の東恩納蒼(又吉康秀撮影)

 東恩納蒼が絶対的エースの役割を果たした。打率4割超の打線を五回まで被安打1に抑え、唯一連打を許した六回の1失点でしのいだ。連敗していた相手に「しっかりリベンジできて良かった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 夏の県大会で直球が思うように投げられず、変化球に磨きをかけてきた。

 打者は初球から強振してくるとみて、予想できないようなボールを意識した。緩急を付けたり、要所でコーナーを突いたりしてタイミングをずらした。六回2死から3連打されたが、慌てず後続を二飛で打ち取った。

 9年前に県内開催された九州大会は沖尚が優勝しセンバツ出場をかなえた。聖地に立てるよう、先輩たちの後を追う。

(金良孝矢)

 


興南、六回に一矢 反撃続かず

6回2死一、二塁 一矢報いる適時打を放つ興南の野里悠介(ジャン松元撮影)

 中盤まで1安打と、完全に抑え込まれていた興南打線。六回、二死となってから連続安打で一、二塁の好機を迎えた。

 打席に入った5番野里悠介は「前の2人が流れを引き寄せてくれた。キャプテンとしても何とか走者をかえしたかった」。

 会心とまでは言えなかったという打球だが、三遊間を抜け左前へ。待望の得点を生んだ。

 しかし反撃はここまで。相手投手について「新人大会のときに対戦し、真っすぐの印象が強かった。変化球の対応が十分でなかった」と野里。コールドでの敗戦を踏まえ、「打線が打たないことには勝てない。しっかり鍛えてチームとしてリベンジしたい」と決意を示した。

(大城誠二)