【記者解説】知念氏出馬表明、国とのパイプを強調 辺野古の争点化避ける背景は


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那覇市長選への立候補を表明する知念覚氏(中央)=2日午後、那覇市おもろまちの後援会事務所(又吉康秀撮影)

 那覇市長選で政権与党の自民・公明が推薦する前副市長の知念覚氏(59)は、出馬会見で38年の行政経験や中央とのパイプを強調した。さらに「オール沖縄」を構築した翁長雄志前知事を副知事として支えた浦崎唯昭氏らも同席し、自公だけでなく「市民党」のイメージも打ち出すことで、幅広い層への支持拡大を狙っている。

 市長選でオール沖縄が擁立した翁長雄治氏は辺野古新基地建設への反対姿勢を明確にし、争点の一つになると訴えている。知念氏は「渡具知(武豊)名護市長は国と県の裁判を見守るとしている。私もその姿勢を尊重したい」とし、スタンスに違いが出ている。

 ただ知念氏はこれまで取材に対し、辺野古問題を対立軸とする「オール沖縄対自公という構図自体を崩したい」と語っている。辺野古が主な争点になるのを避け、「那覇の視点」を強調して勝負したい考えだ。

 知念氏は「計画を遂行する中で一番大きなものが予算だ。その面で中央とのつながりは現実問題、非常に重要だ。それが加わり、明るい未来が展望できる」と強調した。こうして実績や中央とのパイプを強調する一方、これまで選挙を経験していないため、知名度不足が課題となっている。短期間で名前や政策を市民に浸透できるかが鍵となる。
 (伊佐尚記)