ラオスの教育、文化を体感 OICユース、派遣高校生が成果を報告


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メッセージと絵本を届けた高校生と現地の子どもたち=ラオス南部・アッタプー県のターセンチャン小学校(提供)

 【浦添・那覇】2022年度おきなわ国際協力人材育成事業(OICユース)の成果報告会がこのほど、浦添市のJICA沖縄センターで開かれた。県内の高校生11人が8月10~19日の10日間、ラオスへ行き、教育や文化に触れ、ホームステイや小学校の訪問などで交流を深めた。

 OICユースに参加した高校生は立川彩葉(いろは)さん(那覇2年)と仲本樹龍(きりゅう)さん(興南2年)、新垣亮人(あきと)さん(那覇西3年)、知花瑛介さん(向陽3年)、東田さよさん(八重山農林2年)、甲斐ひなたさん(球陽2年)、山城万奈さん(与勝2年)、宮城ひなたさん(開邦2年)、普天間彩乃さん(具志川3年)、大嶺紗佳(すずか)さん(小禄2年)、城間心敬(みのり)さん(沖縄尚学1年)。

 高校生たちはラオスへ行く前に、那覇市立古蔵小学校(仲間一史校長)に出向いた。書き損じはがきを回収してラオスの子どもたちに絵本を届ける取り組みなどを実施する同校児童会から、はがきと「いちゃりばちょーでー」と書かれたメッセージ、児童による手作りの折り紙などを託された。

古蔵小の児童から託された立川彩葉さん(右から4人目)、仲本樹龍さん(同5人目)=7月27日、那覇市立古蔵小学校

 現地ではラオス南部のアッタプー県にあるターセンチャン小学校を青年海外協力隊員の金城千秋教諭(古蔵小)と共に訪ねた。同県は2018年にダムの決壊によって被災した地域。古蔵小から託されたラオス語の絵本やメッセージをターセンチャン小学校の児童らに贈った。このほか、現地でホームステイするなど、食事や風習、文化などを体験した。

 立川さんはホストファミリーにバイクに乗せてもらい、大きな畑を見たり、今流行しているタピオカ屋に連れて行ってもらったりしたという。「教育や文化、それぞれの家庭の習慣などを体感できた。必ずJICAに入って現地へ行きたい」と目を輝かせた。仲本さんは「ホストファミリーは優しく接してくれて、ラオスの人たちの温かさを感じた。子どもたちに絵本を届けた時も、目をきらきらと輝かせながら喜んでくれた」と感動した様子。

 このほか、新垣さんは三線を持ってラオスへ出向き、現地で「安里屋ユンタ」や「島人ぬ宝」を演奏した。「言葉が分からなくても音楽でつながることを知った。将来は法律を勉強して、ラオスなどの途上国で法整備の支援などをしたい」と前を見詰めた。
 (金城実倫)