「パルクール」に新星、大技次々と 那覇出身の上原さん、国内大会で頂点 芸能界にも挑戦


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パルクール東京チャンピオンシップ2022で大技を決める上原貴博さん=9月3日、東京(@東京都体操協会パルクール委員会)

 派手なアクションで障害物を乗り越える「パルクール」。将来の五輪入りが有力視される新競技で、那覇市出身の上原貴博さん(22)が活躍中だ。俳優活動も視野に入れるパルクール界の新星は、沖縄から飛び出し、世界で羽ばたこうとしている。

 上原さんは小学5年生の時にパルクールを始めた。ダンスが好きで、アクロバティックな動きを取り入れようと考えパルクールを始めたところ、いつしか熱中していた。

 練習場所は波の上ビーチ。友人と一緒に自転車で20~30分かけて通い、砂浜の上でバック転に明け暮れた。ユーチューブ動画を参考にしながら、多彩な技を習得。中学、高校、大学に進学しても競技を続けた。

上原貴博さん((C)東京都体操協会パルクール委員会)

 今年9月3日、国内トップ選手が集う「パルクール東京チャンピオンシップ」に出場。1対1の試合を勝ち上がるトーナメントで大技を幾度となく成功させ、頂点に登り詰めた。

 競技力向上に努めるかたわら、昨年はダンスグループのメンバーを決めるオーディション番組に出演した。惜しくもデビューを逃したが、芸能活動にも興味が湧いた。

 目標とする人物は、日本パルクール界のパイオニアで、映画やテレビドラマにも出演するZENさんだ。芸能界でも活躍し、パルクールの魅力を発信できる存在になることを目指す。9月に上京し、目標に向けて歩み出した。

 上原さんは「決められた動きではなく、自分の発想で自由に障害物を越えていくのがパルクールの面白さ。幅広い年齢で楽しむことができる。日本で認められるスポーツにしたい」と語った。
 (稲福政俊)