“伝統絶やさない”青年ら結集 響く太鼓の音、迫力演舞に観客くぎ付け エイサーin沖縄アリーナ


社会
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勇壮なエイサー演舞に歓喜する来場者ら=8日、沖縄市の沖縄アリーナ(喜瀬守昭撮影)

 【沖縄】心地よい地謡の歌声と、重みのある太鼓の音が全身に響く。新型コロナウイルスの影響で「沖縄全島エイサーまつり」が3年連続の中止となる中、代替イベントとして沖縄アリーナで開かれた「エイサーin沖縄アリーナ」。地域の伝統を絶やすまいと、熱い思いを持った青年たちや関係者が結集し、開催に至った。初日の8日、沖縄市内外の青年会など7団体が出演。圧巻の演舞を披露し、観客を魅了した。

 トップの大役を務めたのは、沖縄市の嘉間良青年会。登場すると、今か今かと待ち望んだ観客から大きな拍手が湧いた。

 プログラム中盤、読谷村の高志保青年会が60年以上の伝統がある演舞を披露。「唐船ドーイ」で、高々と足を上げて頭上の太鼓を蹴り上げる動きを繰り返すと、動きに呼応するように観客のボルテージが上昇した。

 トリを務めたのは、沖縄市の園田青年会。会場はこの日一番の熱気に包まれた。壮快なテンポで切れ目なく踊る伝統の演舞に、観客はくぎ付け。手拍子や口笛で、思い思いに鼓音を堪能した。

 観客席にはエイサー衣装を身にまとい楽しむ子どもの姿もあった。沖縄市安慶名から家族で来場した児童(7)は、お母さん手作りの衣装でパーランクーを握りしめ、声援を送った。「エイサーの好きなところは迫力ある踊り」と目を輝かせた。

(石井恵理菜、名嘉一心)