復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉10月12 日「米軍への給水問題、月内に解決メドつける」―琉球新報アーカイブから―


この記事を書いた人 Avatar photo 滝本 匠

 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年10月12日の琉球新報1面トップは、「ソ連、大平外相を政府公賓に/ブ書記長と会談か/平和条約締結交渉、実質的に踏み込む」との見出しで、日ソ平和条約締結に向けた交渉が動き出すことを示唆している。

 参院沖縄特別委員会のやりとりに関連して「米軍施設への給水問題/月内に解決メドつける/331号線開放も/海洋博用地は大丈夫/本名長官答弁」との見出しで、本名武開発庁長官らの答弁の様子を紹介している。政府側の見解としては「①米軍施設への給水に関する市町村や県と米軍のトラブルは10月末をメドに解決したい②伊江島など米軍専用水道における取水問題についての起点は今後検討してみたい③海洋博会場予定地の土地取得は10月中には全部契約できる見通しである④国道331号線の解放問題は現在、日米合同委施設委で安全施設の設置について協議している段階だが、早期解決に努力する」などを説明しているという。

 このほか「あす県案を決定/振興開発計画/与野党の要望盛り込む」との見出しで、復帰後初の沖縄県振興開発計画の策定も大詰めを迎えているとの記事も荊妻している。

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。