防錆施設撤回要求 県議会与野党が一致 米強硬姿勢に切迫感


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県議会

 米軍嘉手納基地への防錆(ぼうせい)整備格納庫の移設計画を巡り、沖縄県議会各会派は12日までに、一致して反対する方向性が定まった。県議会与野党は今後、意見書の文案を調整するが、いずれも「嘉手納町や町議会の意見を尊重する」(与党県議)との考えを示しており、移設計画の撤回や、計画を前提とした文化財調査の即時中止を求める見通しだ。

 同格納庫の建設を巡り、12日に赤嶺昇県議会議長に要請した、嘉手納町議会の仲村渠兼栄議長は「どうにか力を貸してほしい」と県議会の力添えを求めた。県議会全会派を回り、協力を求めた町議らからは、再三の計画撤回に応じない米側に対する強い切迫感がにじみ出ていた。

 県議らの一部では、県議会で意見書などが可決した場合、日米両政府に対して町議会、県議会が同時に要請行動に踏み切る案も出ている。地元の声を受け、住民生活を顧みない、米軍の唐突な計画に対し、県議会与野党が一致して行動し、日米両政府に反対を突き付けられるのかに、注目が集まる。
 (池田哲平)