若手研究者対象の「沖縄文化協会賞」に前田、我部、平川の3氏 来月26日に琉大で授賞式


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 沖縄文化協会(波照間永吉会長)は12日、沖縄学の若手研究者を対象にした第44回沖縄文化協会賞の受賞者3人を発表した。比嘉春潮賞に県立芸大芸術文化研究所共同研究員の前田勇樹氏(32)、仲原善忠賞に沖縄大経法商学部准教授の我部聖氏(45)、金城朝永賞に県教育庁文化財課主任専門員の平川信幸氏(46)が選ばれた。

 前田氏が受賞した成果は「沖縄初期県政期の政治・社会研究」。近代史研究で政治的動向だけでなく、医療と衛生政策を取り上げるなど「本格的な分析が行われなかった領域を明らかにした」と評価された。

 我部氏の研究は「沖縄近現代文学研究」。これまで沖縄文学研究であまり日の当たらなかった児童小説や「『病』の文学」「『混血』の文学」について「先鞭をつける研究となる」と選考で認められた。

 平川氏は「近世琉球肖像画に関する研究」。琉球国王の肖像画「御後絵」を体系的に分析し、近世琉球の肖像画研究でも「美術史分野だけでなく文献中心の琉球史研究にも寄与する成果をあげた」と評された。

 受賞者3人の研究発表と授賞式が11月26日午後1時から同5時、西原町の琉球大学文系講義棟114教室で開かれる。新型コロナウイルスの感染状況によっては懇親会を行わない。

 問い合わせは同協会、電話098(887)2652。
 (宮城隆尋)