コロナで大打撃…宿泊施設の稼働率は30% 回復傾向も課題は人手不足<那覇市の課題>②観光


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
那覇市内上空

 23日投開票の那覇市長選は16日に告示を迎える。那覇市が抱える諸課題の中から、争点や重要な課題に位置付けられる一括交付金の減額、コロナ下で打撃を受けた観光、現市政が力を入れてきた子育て支援の三つについて現状や課題を探った。(’22那覇市長選取材班)

 観光はホテル、交通、飲食、土産品、清掃業など裾野が広い那覇市の基幹産業だ。だが2020年からの新型コロナウイルス感染拡大の影響で大きな打撃を受けた。観光庁の宿泊旅行統計調査によると、感染拡大以降、ほとんどの月で市内宿泊施設の稼働率が30%を下回るという厳しい状況だ。

 市は21年11月、市コロナ期観光回復戦略を策定した。25年3月までを対象期間とし、観光収入3815億円、宿泊客1人当たり市内消費額7万4156円、延べ市内宿泊客数782万人泊への回復を目指している。これはコロナの影響を受ける直前の19年度の実績値だ。同戦略では10項目の取り組みを掲げ、市内宿泊施設で割引が受けられるクーポンの発行や貸し切りバス事業者支援などの施策を展開してきた。宿泊施設の稼働率は39%台に回復している。

 市観光審議会は同戦略の進ちょくについて、消費・宿泊需要の喚起、事業継続支援・応援給付金などほとんどの項目で「ある程度評価できる」とした。市は今後、都市型MICE受け入れや早朝夜間の観光コンテンツ開発支援などにも力を入れる。観光需要は回復傾向にあるが、人手不足などが課題となっている。