那覇市の待機児童数559人→23人に大幅減 ゼロ目前に足踏み…保育士不足解消が課題 <那覇市の課題>③子育て


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 23日投開票の那覇市長選は16日に告示を迎える。那覇市が抱える諸課題の中から、争点や重要な課題に位置付けられる一括交付金の減額、コロナ下で打撃を受けた観光、現市政が力を入れてきた子育て支援の三つについて現状や課題を探った。(’22那覇市長選取材班)

 城間幹子市政は待機児童解消などの子育て支援に力を入れてきた。市の待機児童のピークは2016年度(4月1日時点)の559人。市は公立幼稚園を保育園と一体化した認定こども園にするなど、施設と定員を増やしてきた。その結果、22年度の待機児童は23人と大幅に減っている。

 だが、待機児童ゼロを目前に足踏みしている。保育士不足で定員通りの受け入れができないことが主な要因だ。市は保育士不足を解消するため、新卒保育士や勤務を継続している保育士への祝い金給付、県外の保育士が市内で就職活動をする際の交通費補助などに取り組んできた。

 一方、今年7月には市内の認可外保育園で乳児が心肺停止の状態で救急搬送された後、死亡する事案が発生した。認可外保育園も含めた園児の安全確保策の改善が求められそうだ。市は再発防止に向けて小児救急の研修などを実施し、今回の事案の検証委員会設置も検討している。