那覇市長選 選対責任者に聞く 訴えたいこと、候補者の魅力は?当選ラインをどう見るか


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 23日投開票の沖縄県那覇市長選は16日に告示され、1週間の選挙戦に突入する。立候補を表明している無所属新人で前県議の翁長雄治氏(35)=共産、立民、社民、社大、れいわ、にぬふぁぶし推薦=と、無所属新人で前副市長の知念覚氏(59)=自民、公明推薦=の一騎打ちが見込まれ、2氏は既に事実上の選挙戦を展開している。両陣営の選対責任者に選挙戦にどう臨むかを聞いた。(’22那覇市長選取材班)


翁長陣営 金城徹氏 若い人の流出 止める

インタビューに答える翁長陣営の金城徹氏=13日、那覇市銘苅の事務所

―訴えたいことは。

 「翁長雄治氏は子育て日本一の那覇市を実現する。国の論理ではなく市民との協働でまちづくりに取り組む。辺野古新基地建設は駄目だというのは単なるイデオロギーではない。未来の社会を担う子どもたちのことを考えた時に(建設を)容認できない」

 「住宅確保や費用の問題で、本当は那覇に住みたいが住めないから他に移ることが指摘されている。かつてマンモス校だった市中心部の小学校が小規模校になったりする。税金の効率的な使用にもつながらない。若い人が那覇からどんどん出て行く状況をなんとしても止めたい」

―候補者の魅力は。

 「若さや政治経験の浅さを指摘する声があるが、翁長氏は那覇市長は那覇市のトップではないと言っている。那覇市のトップは市民であり市長は那覇市の職員を率いるリーダーだ。那覇市のビジョンを専門家である行政マンに示し、市政を運営する。そこが大きな魅力だ。若いことがいけないと言うならば、若者の政治参加を促す社会の流れにも逆行する」

―投票率と当選ラインはどう見るか。

 「投票率は58%を想定し、8万票の獲得を目標にしている」

―告示前、告示後の取り組みは。

 「告示前は労組、団体や企業、保育所、グラウンドゴルフの集会などを集中的に回った」

 「玉城デニー知事にも協力を申し入れ、了解いただいた。玉城知事の言うSDGsや誰一人取り残さない社会の実現は共通している。県都と県が歩調を合わせて、政策を推進していける」

―若年層、無党派層への対策を聞きたい。

 「翁長氏の出馬自体が対策につながる。単なる選挙戦での若者対策ではなく、子育て日本一の那覇市をつくるためには若い世代との議論が必要だ。そういう人たちに投票してほしいし、政策を訴えていく」


知念陣営 久高友弘氏 暮らし守り 所得向上

インタビューに答える知念陣営の久高友弘氏=14日、那覇市牧志の事務所

―訴えたいことは。

 「コロナ禍を乗り越え、経済をV字回復させ、暮らしを守り、市民所得を向上させることができる即戦力のリーダーが求められている。那覇市長は32万市民の生活を守る重責があり、確固たる行政実務能力が必要不可欠だ。誰が即戦力の市長となり得るのかが大きな争点だ。名護市辺野古の(新基地建設)問題は那覇市長の管轄外であり争点とは思わない」

―候補者の魅力は。

 「知念覚氏は38年の行政経験と8年間の副市長としての実績を生かし、全市民が笑顔で幸せに暮らせる街づくり、人づくり、未来づくりを成し遂げる。『オール沖縄』の中にも当初は推薦する声があった。両陣営から声が掛かるのは公平中立に行政運営を進めてきた証拠だ。行政課題の全てに答えを持つ、極めて能力の高い市長候補だ」

―投票率と当選ラインの予想は。

 「過去の市長選における投票率を考慮し、50%前後だと予想する。当選ラインは7万票から8万票になるのではないか」

―告示前、告示後の取り組みは。

 「知名度を上げるため、地域や企業のあいさつ回り、支持者主催の会合などを多く企画してきた。とにかく多くの人と面談し、本人の考えや政策を伝えている。チラシにも力を入れ、地域別のものなど6種類を作った。告示後も引き続き知名度を上げ、実績を発信する。期日前投票を確実に積み上げていく」

―若年層、無党派層への対策を聞きたい。

 「知念氏は数年前に息子を亡くしたが、残された孫を息子に代わって育てている。子育ての大変さと喜びを2度経験しているからこそ実感する、子育て支援策を若年層に広報していく。自民党から推薦を出しているが『市民党』的な立場で戦う。イデオロギーを乗り越え、市民本位の市政運営が必要というスタンスで無党派層に政策や理念を訴えていく」