FC琉球、J3降格圏に J2の22チーム中21位以下が決定 千葉に1―2 先制も後半に逆転、力尽きる


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琉球ー千葉 敗戦し肩を落とす琉球イレブン=16日、千葉県のフクダ電子アリーナ(千葉日報社提供)

 サッカー明治安田J2第41節第2日の16日、FC琉球は千葉県のフクダ電子アリーナでジェフユナイテッド千葉と対戦し、1―2で敗れた。J2の22チーム中、琉球の21位以下が決定し、J3自動降格圏が確定した。J3の上位2チームにJ2クラブライセンスが交付された場合、降格となる。前半は野田隆之介が頭で押し込んで先制したが、終了間際に同点に追い付かれた。後半は主導権を握られ2点目を奪われた。通算成績は7勝21敗13分け、勝ち点34。次戦は23日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムで大分トリニータと今季最終戦を行う。

 琉球は勝利に届かず、J3自動降格圏の21位以下が決まった。

 くしくも、千葉は県出身の田口泰士(小禄中―流通経大柏高出)が攻守のつなぎ役となり、勝利を阻む壁として立ちはだかった。さらに、20位の群馬が5―1でいわてを破ったため、勝利した場合も21位以下は確定していた。

 前半17分、福村貴幸が精度の高い左からのクロスで上背のある野田隆之介へピンポイントで合わせた。前節に続いて、野田がきっちり頭で合わせて先制点を奪い、勝利への期待は高まった。しかし、終了間際に守備の間を抜くシュートを決められて追い付かれた。

 後半はペースを握られた。試合終盤にコーナーキックのチャンスが一転、カウンターを食らい、ドリブルで持ち込まれ、逆転ゴールを浴びた。

 ナチョ・フェルナンデス監督は「守備の強度を上げて失点を減らすことや高い位置でボールを奪う意識、ハードワークの部分など、改善できた部分も多いと思っている」と振り返った。続けて「(降格圏確定という)結果については責任は自分にある。残留に導くには力が不十分だったと感じている」と述べた。
 (大城三太)

コロナ影響で調整不足 最後まで厳しい戦い続く

 J2琉球は4季目となる今シーズン、喜名哲裕氏が監督に就いた。8選手が新加入し、2月に練習を開始。しかし、県内外での新型コロナウイルスが感染拡大し、チームからも複数人感染者が出たため、全体練習にも影響が出た。沖縄キャンプでJチームが練習試合をこなす中、実戦形式のゲームをこなせず、開幕に向けて調整不足感は否めなかった。

 シーズン42試合中3分の1となる14試合を消化した時点で勝ち点7にとどまり、最下位と低迷。セットプレーから得点を許したり、集中を欠く序盤や終了間際に失点をしたりと、昨季からの課題を引きずる形で守備の不安定さがつきまとった。

 以降も敗戦が立て込み、クラブ側は成績不振で6月に喜名監督を解任。第23節の町田戦からスペイン出身のナチョ・フェルナンデス氏が指揮を執った。自陣で不用意なパス回しはしない、ロングボールを多用することを徹底し、失点のリスク減らすスタイルへ転換を促した。目に見えて失点は減ったが、けがで離脱する選手が相次ぎ、万全の戦力と言えない中での厳しい戦いが続いた。

 琉球は2014年からJ3で戦い、18年に同リーグで優勝。J2に昇格した2019年から樋口靖洋監督が就任し、成績を14位とした。20年は16位、21年は樋口氏がシーズン途中で解任されたが、最高位の9位だった。
 (大城三太)


(2)フクアリ(千葉2勝)

千葉 16勝10分け15敗(58)
2―1(1―1,1―0)
琉球 7勝13分け21敗(34)

▽得点者 【千】 熊谷(1)チアゴデレオンソ(4)【琉】 野田(5)
▽観客 7499人

監督である自分の責任

 ナチョ・フェルナンデス監督(琉球)の話 前半終盤に失点するまではゲームをコントロールできていた。千葉はカウンターの特徴があると事前の分析で分かっていたのに、後半にそれを許してしまったのは自分たちのミスで、監督である自分の責任。