女性運航管理者が12年ぶり誕生 飛行計画の可否を判断 JTAの恩河さんと知花さん、空の安全担う 


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
JTAで12年ぶりに誕生した女性の運航管理者の(左から)恩河あおいさん、知花聖香さん=17日、那覇空港の同社

 日本トランスオーシャン航空(JTA)でこのほど、2人の女性の運航管理者が誕生した。運航管理者は航空機を飛行させるかの可否判断の権限を機長以外で唯一与えられた職務で、国家資格を必要とする。恩河あおいさん(29)と知花聖香さん(25)は、JTAでは12年ぶりの女性運航管理者として、空の安全を担っている。

 運航管理者は安全運航を確保するために、気象情報を基に飛行高度、経路、燃料積載量などを決めて飛行計画書を作成し、パイロットに適切な情報を提供する。台風等の悪天候時には、運航の可否を協議する。

 学科試験を受け国家試験に合格した後に、社内審査を経て、運航管理者として勤務することができる。

 運航管理者は女性が少なく、同社では現在、運航管理者18人のうち、女性は恩河さんと知花さんの2人だけ。2人同時に女性の運航管理者が誕生したのは同社では初めてで、航空業界としても極めて珍しい。

 琉球大理学部物質地球科学科の先輩と後輩でもある2人は仕事が終わった後や、同社で設ける試験対策の日などに、一緒に勉強をしていた。

 恩河さんは今年6月に社内審査を経て資格が発令した。高校時代から空の世界に憧れがあったといい、「突発的な出来事にも臨機応変に対応し、自分が育った場所に恩返しがしたい」と話した。

 知花さんは7月から運航管理者としての勤務を開始した。「どんな時も冷静に対処できるようにしたい。先輩から受けたサポートを後輩にもつないでいきたい」と意気込んだ。
 (與那覇智早)