【比較表】子ども、教育、福祉に関する両候補の政策は?<那覇市長選 政策比較>中


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(左から)翁長雄治氏、知念覚氏

 那覇市長選に立候補する無所属新人で前県議の翁長雄治氏と無所属新人で前那覇市副市長の知念覚氏はいずれも子ども関連施策を重点的に取り組む分野の一つに位置付けている。子どもの貧困対策としての側面も含めた給食費や子ども医療費の無償化、子ども食堂や子どもの居場所への支援強化など重なる政策も多いが、それぞれ独自の施策もアピールしている。

 子育て支援策として、翁長氏は学校給食費、幼児教育費、高校卒業までの医療費の無料化を進めるとするほか、目玉政策として市独自の児童相談所(子ども相談所)設置を打ち出す。子育て世代包括支援センター「ら・ら・ら・ステーション」の拡充も掲げる。

 知念氏は処遇改善支援などを通じた保育士確保や指導・研修の充実で保育の質を高める施策の展開を掲げる。子育てする親の交流やリフレッシュを図るための「子育てママクーポン」創設も訴える。子どもの権利条例制定も重点公約とする。

 教育・人材育成策としては、翁長氏は30人以下の少人数学級や体育館・特別教室などのクーラー設置、公立夜間中学の開設などを進めるとする。知念氏は学びクーポンや給付型奨学金の拡充のほか、教育のICT化による学びの環境の向上などを掲げる。

 那覇市でも高齢化は進んでおり、重要課題だ。

 翁長氏はケアハウス増設、福祉労働者の処遇改善と事業所・施設の運営の保障を図るとするほか、公共交通機関の利用助成拡充や生涯学習の促進を掲げる。

 知念氏は住まいや医療、介護、予防、生活支援が包括的に確保される地域包括支援センターの機能充実や、移動が困難な高齢者の公共交通の無料化・割引も公約にする。

 障がい者への政策については翁長氏はSDGs・インクルーシブ教育の推進や就労支援充実などを図るとし、知念氏は障がい者雇用率向上やインクルーシブ公園整備などを進めるとしている。
(’22那覇市長選取材班)