【県議会決議全文】嘉手納飛行場パパループ地区への防錆整備格納庫移設に関する決議


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沖縄県議会

 沖縄県議会は18日の9月定例会最終本会議で、嘉手納基地内の旧駐機場「パパループ」地区への防錆整備格納庫移設に対し、計画の見直しを求める決議案と意見書案を全会一致で可決した。決議全文は次の通り。

 2022年5月25日、在沖米空軍第18航空団司令官から嘉手納町長等に対し、防錆整備格納庫をパパループ内の住宅地側の区画に規模を拡大し整備する予定であるとの説明があった。この説明を受け嘉手納町議会は、当該計画は周辺環境に多大な影響を与えることが予想されることから、7月19日の臨時会で移設計画の即時撤回を求める意見書・決議を全会一致で可決し、日米両政府及び関係機関に抗議してきたところである。

 このような中、本年8月には、パパループ一角で米軍が文化財調査を実施していることが明らかとなった。米軍は嘉手納町に対し、特定の施設の建設開始を示すものではないとしていたが、地元紙の取材では、米国防総省がパパループ一角にある緑地帯で進められている文化財調査は防錆整備格納庫建設を前提とした準備作業であることを認めたとの報道があった。

 嘉手納町においては、日頃から繰り返される戦闘機等の離発着及び飛行訓練に伴う騒音被害に加え、居住地に近接するパパループ地区付近からエンジン調整音等の地上騒音が昼夜を問わず鳴り響き、排気ガスの悪臭により平穏な日常が大きく影響を受けている。

 米軍基地から派生する諸課題が山積する中、パパループ地区に新たに大規模な施設が整備されることは、嘉手納町民はもとより、沖縄県民へもたらされる基地被害の増大が容易に予想されるものであり、同地区内の恒常的使用につながりかねない。

 ついては、いかなる理由があるにせよ、本県議会は県民の生命・財産及び生活環境を守る立場から、パパループ地区への防錆整備格納庫移設計画の見直しを強く要求する。上記のとおり決議する。

  2022年10月18日
  沖縄県議会