捨てられていたマグロの骨から生まれた「まぐろそば」 沖縄そばの新たな定番目指す 沖縄の産業まつり、きょう23日まで


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「まぐろそば」を提供している渡嘉敷村のホテル「とかしくマリンビレッジ」の古波蔵善之介さん(右)ら=21日、那覇市の奥武山公園

 第46回沖縄の産業まつり(同実行委員会主催)2日目は22日、晴天の下、朝早くから多くの家族連れでにぎわった。真夏のような暑さもあり、冷たい飲料を提供するブースには長い列ができた。今年の産業まつりはSDGs(持続可能な開発目標)を意識した商品や技術の紹介が多いことが特徴だ。特産品コンテストで審査員特別賞を受賞した中村印刷は琉球絣の端切れを使い商品を開発した。渡嘉敷村のホテルは廃棄されるマグロの骨からだしをとったそばを出品し、好評を得た。産業まつりは23日まで。午前10時から屋内展は午後7時まで、屋外展は午後8時まで開かれる。

 ありんくりん市の会場内では、渡嘉敷村のホテル「とかしくマリンビレッジ」が村のマグロを使った「まぐろそば」を販売し、好評を博している。従来は廃棄されていたマグロの骨からだしをとり、マグロの切り身の角煮を載せた一品。沖縄そばの新たな定番として広げたい考えだ。

 渡嘉敷村ではマグロ漁が盛んだ。新型コロナウイルス禍でホテルの客足が落ち込む中で、経営者の古波蔵善之介さん(46)が捨てられる骨を再利用して商品化できないかと、試行錯誤の末、まぐろそばを考案した。

 今夏からホテルで提供を始めた。骨は漁協から買い取り、オーブンで焼いてくんせいのようにして、だしを取っている。残った骨は肥料や養殖魚のえさにできないか、さらなる再利用の道を探っているという。古波蔵さんは「(マグロの骨を用いた)マグロぶしを使ったそばはまだまだメジャーではないが、ウチナーンチュに認められるそばにしたい」と笑った。

 産業まつりの会場では1日300食限定で、500円と「赤字覚悟」(古波蔵さん)の値段で提供している。 (當山幸都)