マルチ商法の落とし穴 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[280]


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モバイルプリンス

 

消費者庁は14日、目的を隠して勧誘したとして【※1】、マルチ商法を展開している日本アムウェイに対し6カ月の取引停止を命じました。

マルチ商法とは、商品の購入者を紹介すると数パーセントのお金がもらえ、さらに紹介者が違う人を紹介するとどんどんお金がもらえる仕組みです。

「友人を紹介すると商品がもらえます」というキャンペーンをよく見かけますが、マルチ商法のポイントは「友人を紹介し、その友人がさらに友人を紹介すると…」と連鎖することです。

 

※1 目的を隠して勧誘したとして … マルチ商法は法律上は合法になっていますが、勧誘の条件がかなり厳しく、勧誘する場合は「マルチ商法にあなたを勧誘するために私は声をかけています」と目的をしっかりと告げた上で勧誘しなければいけません。しかし実際はこうした勧誘のルールが守られておらず(私も過去に何度も勧誘を受けましたがルールが守られたものはありませんでした)、今回の業務停止命令に至ったわけです。

 

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マルチ商法は「どんどんお金が稼げる」「人生の成功者になれる」と夢を見させてくれますが、実際は友達を失い、大量に買い込んだ商品が残って逆にお金に困ってしまいます。

加害者にも、被害者にもなってしまうのが怖いところです。実際、マルチ商法にハマって破産しそうになっている人に「このマルチ商法で借金を返せるよ」と違うマルチ商法を紹介する人もいます。

人を搾取して金もうけをする仕組みなので、人間関係もメチャクチャになります。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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今、マルチ商法の勧誘はSNSやマッチングアプリを通じて行われています。楽しそうなパーティーの画像を頻繁に掲載している人から「あなたも始めてみない?」とDMで勧誘されるのです。

世界情勢の変化で、お金に対する不安も高まっています。そんな時「夢を見させてくれる(でも実際は成功しない)」マルチ商法は活発化します。

大手のアムウェイが業務停止命令になったことで「アムウェイよりもこのマルチ商法の方がもうかるよ」と活発化しないか心配です。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ 1987年、沖縄市出身。お笑い芸人・携帯電話ショップ勤務の経験を生かし、スマホ・ネット活用の方法を楽しく、わかりやすく伝える。2020年、本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」を出版

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