全沖縄高校バスケ、男子は豊見城 女子は西原が優勝 U15は男子キングス、女子はコザ中がV


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豊見城―美来工 第4Q、オフェンスリバウンドを奪う豊見城の松田悠之介=23日、沖縄市の沖縄アリーナ(大城直也撮影)

 バスケットボールの第65回全沖縄高校選手権大会・第3回県U15選手権大会の決勝は23日、沖縄アリーナで行われた。高校男子は豊見城が71―62で美来工科に競り勝ち、2年ぶり5度目の頂点に立った。女子は西原が86―68で小禄に勝利し5年連続11度目の優勝を飾り、ウインターカップ2022第75回全国高校選手権大会(12月・東京)への出場を決めた。U15男子はキングスU15が64―58でStandardに勝って制した。女子はコザ中が57―47で23Academyを下して優勝し、第2回全国U15選手権大会(ジュニアウインターカップ、1月・東京)への出場権を得た。

守備から攻勢、流れつかむ 豊見城

 

 高校男子決勝。前半終了時点で豊見城は美来工科に37―43と6点を追いかける展開。だが、第3クオーター(Q)で「相手に簡単にボールを持たせない」プレーを徹底し逆転を果たすと、第4Qでは少しずつ点差を広げ、最終的には71―62で優勝をつかみ取った。

 「ディフェンスから試合をつくり攻勢を仕掛ける」(松田悠之介主将)ことを心掛けてきたという。特に後半は、ボールを持つ相手に圧をかけパスミスを誘った。リバウンドも全員で取りに行くなどボールの支配率を上げ、守りながらも果敢に攻めていく姿勢を見せた。

 攻撃では、中へ切り込むシュートと外から打つシュートを織り交ぜ、相手の守りを崩した。決め手となったのは第4Qの残り3分。一進一退の展開から、松田が3点シュートを成功させた。会場が沸き立ち、試合の流れを一気に引き寄せた。それ以降は、中村仙汰や眞境名星が得点を重ね、美来工科を突き放した。

 角田俊成ヘッドコーチは「(3年生にとっては)最後の舞台で本当にやってくれた。自分たちの信じたことを貫いてきて良かった」とうなずいた。 (砂川博範)


中村、躍動22得点 西原5連覇

 

西原―小禄 第3Q、ドライブで仕掛ける西原の中村望愛(大城直也撮影)

 小禄を下し、西原が大会5連覇を果たした。第2クオーターから点差を引き離し、余力を残しながらの優勝だった。宮城七青主将は「みんなで最高の40分間を過ごした。次は全国大会がある。悔いの残らない試合をし、ベスト8を目指す」と前を見据えた。

 特に光ったのがエースの中村望愛(のあ)だ。身長167センチの中村はゴール下でボールを受け、力で押しながらシュートを打つだけでなく、外からジャンプシュートを決めるなど、チーム最多の22得点を挙げる活躍を見せた。

 「ディフェンスでリバウンドを取り、そのままゴールまで持っていける選手を目指している」と中村。40分間、走り続けることのできる体力がこれまでの課題だった。だがこの決勝では誰よりも動き、コートの端から端まで走った。大会前には週に3、4日、自主練として朝と夜の特訓で走り込み体力を培ってきた。その効果が結果として表れた。

 12月には全国高校選手権が控える。「このチームで戦えるのもこれが最後。自分たちのプレーを出し切り、まずは1回戦を突破する」と意欲を見せた。
 (砂川博範)