【訃報】土肥健一さん死去 サン食品創業者 87歳 「沖縄そば」呼称認定に尽力


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土肥 健一氏

 サン食品(糸満市)創業者で、沖縄生麺協同組合の理事長や顧問、県食品産業協議会会長などを務めた土肥健一(どひ・けんいち)氏が9月5日、病気のため死去した。87歳。熊本県出身。葬儀は土肥氏の遺志で、近親者のみで執り行った。七七忌・納骨の法要も済ませた。喪主は妻・初子さん。

 沖縄の日本復帰後の1976年、公正取引委員会から「そば粉を使用していない沖縄そばは『そば』の呼称を使ってはいけない」と指摘を受けたのをきっかけに、「沖縄そば」の呼称を守るために国と折衝を重ねるなど尽力した。

 65年に日本復帰に向けた水質調査のため初めて沖縄を訪れ、67年に那覇市内でラーメン店「十八番」を開いた。68年にサン食品を創業し、麵類の販売を始めた。76年に沖縄生麵協同組合を設立し、沖縄そばの品質向上にも力を入れた。

 2013年に県功労者の産業振興部門で、17年には第53回琉球新報賞の経済・産業功労部門でそれぞれ表彰された。

 土肥氏は琉球新報賞受賞時に「沖縄そばが世界中を駆け巡るようになって、沖縄そばを知らない人は食を知らないと言われるようにしたい」と語っていた。
 (與那覇智早)

※注:土肥氏の「土」は右上に「、」