那覇市長選、世代別の投票先は?当選した知念氏は若年層に浸透、玉城知事支持層も一部取り込む 本紙出口調査


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 琉球新報社が23日の那覇市長選投開票日に実施した出口調査では、当選した知念覚氏が若い世代に浸透し、年代が上がるにつれて翁長雄治氏の支持が高まる傾向がみられた。政権与党の自民.公明が支援する候補を若年層が、「オール沖縄」が支援する候補者を高齢層が支持するという最近の選挙傾向と一致する。一方、知事選の投票先で玉城デニー知事に投票した人のうち、約4人に1人が知念氏に投票したとしており、玉城氏支持層の一部が流出した。

 知念氏は10代~50代で翁長氏を上回った。特に20代で7割、30代で6割の支持を集めた。翁長氏は60代以上の世代で知念氏を上回り、80歳以上では6割強に浸透した。

 政党支持別では知念氏は推薦を受けた自民支持層の8割、公明支持層の7割を固めたほか、政策協定を結んだ参政党支持層の9割をまとめた。

 翁長氏は推薦を受けた共産、立民、社民、社大、れいわ支持層の8~9割を固めた。無党派層の6割にも浸透し、知念氏を上回った。

 知事選での投票先が自公推薦候補の佐喜真淳氏だった人のうち93.0%が知念氏に投票したと回答した。一方で、オール沖縄が支援した玉城デニー氏に投票した76.8%が翁長氏、23.2%が知念氏に投票しており、玉城氏支持層の一部が知念氏に流出する結果となった。知念氏を支援した下地幹郎氏が投票先だった73.8%が知念氏、26.2%が翁長氏に投票したと回答した。

 投票に最も重視した点では経済振興が32.2%と最も多く、基地問題が21.8%、人柄や経歴の14.5%と続いた。翁長氏が強調した子育て支援は14.3%にとどまった。

 米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設についてはどちらかと言えばを含めて容認が34.5%、どちらかと言えばを含めて反対が59.8%だった。容認姿勢の82.0%が知念氏に、18.0%が翁長氏に投票したとした。反対姿勢の71.0%が翁長氏に、29.0%が知念氏に投票したと回答した。
(’22那覇市長選取材班)