ハガレン、はたらく細胞、ドラゴン桜…図書館に入れたい漫画1位は? 伊良波中で図書館選挙 沖縄・豊見城


社会
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図書館選挙の開票作業に当たった、伊良波中学校の図書委員ら=4日、豊見城市の同校

 あなたの1票が、図書館の未来を決める―。豊見城市の伊良波中学校で9~10月、図書館に入れたい漫画を決める図書館選挙の投開票があった。生徒たちの推薦を受けた立候補漫画は「鋼の錬金術師」「ドラゴン桜」「はたらく細胞」など人気作10冊。重点的に購入してほしい本の分類(ジャンル)を決める選挙も同日、投開票をした。

 生徒たちは思いを託した票を投じ、漫画は少年ジャンプに掲載された「Dr.STONE」、本分類は文学・エッセーが2位に大差をつけて「当選」した。今後、図書館の棚に「Dr.STONE」が並び、文学本も増やす。

図書館に入れてほしい漫画・本のジャンルを記入した投票用紙を投票箱に入れる伊良波中学校の生徒たち(提供)

 選挙は同校司書の古殿歩さんが、県外の図書館の取り組みを参考に実施した。沖縄は今年、県知事選や統一地方選、那覇市長選などが続く「選挙イヤー」で「生徒に選挙の大切さを体験的に学んでほしい」と企画した。投票箱は実際の選挙で使用するものを、市選挙管理委員会から借りた。投票期間は9月12~30日。開票作業は10月3、4の両日、図書委員を中心に行われた。

 人気の本分類を決める選挙で、図書委員は「小説などの文学・エッセーに一極集中するのでは」と予想していたが、結果は「2位に大差をつけたものの、どの分類にも一定程度の票が入った」(古殿さん)という。同中3年の図書委員長(14)=3年=は「落選したものに入った票も大切だと感じた」と、1票の重みを感じていた。

 自他共に認める“本の虫”という生徒(14)=3年=は「図書館に来たら、普段手に取らない本も自然と視界に入る。たくさんの人が図書館に来るきっかけになってほしい」と期待を込めた。別の生徒(15)も「本は読まないけど漫画は読むという人たちがたくさんいる。近くに陳列している本もついでに読んでみてほしい」と話した。
 (嘉数陽)