軍港機能に航空機の運用は含まれる?国と地元で食い違う定義…那覇軍港移設、今後の焦点に


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那覇軍港に駐機中の米海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ=2022年6月11日、那覇市

 米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設について、国や県、那覇と浦添の両市は「現有機能」の維持を条件に協議を進めていくことで一致したが、前提となる「機能」の定義が国と地元で食い違っている。特に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイなど航空機の運用が軍港の機能に含まれるのかどうかで解釈が分かれており、今後の焦点となる。

 県はオスプレイなど航空機の運用が伴う訓練は従来、那覇軍港で確認されていなかったとし、一切実施しないように求めている。沖縄の日本復帰時に米軍基地の使用目的などを定めた日米合意(5・15メモ)に沿っていないとの立場だ。

 一方、防衛省はオスプレイを含む航空機の訓練も軍港の「使用主目的に沿ったものだ」と主張する。代替施設でも同様の訓練が実施される可能性を示唆した。

 協議会後、取材に応じた県の嘉数登知事公室長は「県と防衛省は完全に一致していないが、移設協議会でこれからも姿勢を堅持していく」と語った。

 記者団に概要を説明した防衛省の折戸栄介沖縄協力課長は「われわれの考えを丁寧に説明していく」と述べた。
 (明真南斗)