ゴスペルで平和訴え10年 普天間基地ゲート前で歌う会 基地撤去へ東京の行動とも連帯


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首相官邸前の抗議行動と電話をつなぎ、共に「勝利をのぞみ」を歌う「普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会」の神谷武宏代表(左)ら=24日、宜野湾市野嵩

 【宜野湾】米軍普天間飛行場のゲート前で祈り、賛美歌で平和を訴える「普天間基地ゲート前でゴスペルを歌う会」(神谷武宏代表)の抗議行動が10年を迎えた。節目となる24日夕の抗議行動には、キリスト者ら25人が参加。東京・首相官邸前の抗議行動と電話をつなぎ、軍事基地撤去に向け連帯の歌声を響かせた。

 抗議行動は2012年10月29日、オスプレイの同飛行場への強行配備を受け、野嵩ゲート前で始まった。新型コロナウイルスの感染拡大で休会を余儀なくされながらも「オスプレイ反対、性暴力反対、軍事基地反対」を掲げ、週1回の活動を続けてきた。全国に共感が広がり、東京や神奈川、大阪など約10カ所で同様の抗議行動が展開されているという。

 449回目となった24日の行動は、午後6時過ぎに始まった。拳を振り上げることもなく、静かに祈り「いつくしみ深き」などの賛美歌を歌う。12年11月から活動を続ける「首相官邸前でゴスペルを歌う会」と電話をつなぐと、神谷代表が「オスプレイが配備されて10年。米軍基地が押しつけられて七十数年。沖縄の歴史は抑圧の歴史だが、私たちは諦めず、誇りを持って平和の声を発信し続ける」と話した。沖縄と東京、それぞれの参加者はスマートフォンのスピーカーを通して、「勝利をのぞみ(We Shall Overcome)」を共に歌い、武力に頼らない平和な世界へ思いをはせた。
 (真崎裕史通信員)