〈128〉コロナ・ドライブスルー外来 事前の準備を十分に


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 新型コロナウイルスの世界的流行が続いています。感染流行初期の2020年3月、無症状者からも感染し、感染の初期からウイルス量が多いことなどの理由で、韓国でドライブスルー方式の診療が開始され、多くの国でこの方式が取り入れられました。

 日本では同年4月にドライブスルー方式の診療が許可され、当院でも同年8月にドライブスルー外来を開始しました。21年8月の第5波の感染爆発時には8月の1カ月間で3294人のドライブスルー外来受診者があり、PCR検査で陽性者が898人出ました。

 感染ピーク時には十分な診療対応ができず、発熱外来やPCR検査を縮小したり、待ち時間が長くなったりするなどの問題が起こりました。

 病院として、仮設トイレの設置や暑さ対策のテントの設営、冷房器具の設置、診療にあたるスタッフの増員、検査機器の購入などを行いましたが、さらに改善が必要だと感じています。

 ドライブスルー外来を利用する機会があるときは、暑さ、寒さ対策として適切な衣服の着用と、水分補給のためにペットボトル持参や外来受診前にトイレを済ませておくことなどが重要になります。また、発熱外来に受診者が殺到することになる場合もあることを念頭に置く必要があります。

 沖縄県は大都市の都府県に次いで全国第9位の人口密度であり、全国一高齢化率が低いです。これは、活動が活発でワクチン接種率が低い若者が多いことを意味します。

 また観光立県で人の流れが多く、人口あたりで全国一飲食店が多いなど、新型コロナウイルス感染が広がりやすい環境にあります。

 オミクロン株による過去最大の第7波は収束傾向にありますが、私たちは通常医療が十分にできず、医療崩壊ともいわれる状況を経験しました。

 今後も新型コロナ感染者や重症者を減らすために、ワクチン接種や、マスクの着用、換気、3密回避など感染予防対策が引き続き重要になります。

(与儀洋和、中部協同病院 内科)