沖尚、劇的サヨナラ勝ちで4強 明豊(大分)に3-2 主将・佐野、値千金の一打で雪辱 秋季九州高校野球


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沖縄尚学―明豊 9回1死二塁、サヨナラ適時打を放つ沖尚の佐野春斗=26日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(大城直也撮影)

 高校野球の第151回秋季九州地区大会第4日は26日、沖縄市のコザしんきんスタジアムなどで準々決勝4試合を行い、選抜大会出場が有力視される4強が決まった。沖縄1位の沖縄尚学は明豊(大分1位)に3―2の劇的なサヨナラ勝ちを収めた。選抜出場が決まれば、21世紀枠での出場となった2021年の具志川商以来。九州4位以上での出場は15年の糸満以来となる。沖縄2位のウェルネス沖縄は長崎日大(長崎1位)に4―11の七回コールドで敗れた。沖尚は二、四回に7番東恩納蒼の適時打で1点ずつ加えたが、五回にエース東恩納が2ランを浴び振り出しに。九回裏1死二塁で9番佐野春斗が適時打を放ち勝負を決めた。ウェルネスは二回に先制したが直後に1点、三回に2点を返され勝ち越された。六回に5番大濱安綺の適時二塁打で逆転するも、直後と七回に4点ずつ奪われコールド負けとなった。準決勝は28日、コザしんきんスタジアムで。沖尚は第2試合(午後1時開始予定)で海星(長崎2位)と対戦する。

 主将の一振りで劇的なサヨナラ勝ちをつかんだ。3年前の秋季九州準々決勝で敗れた明豊に雪辱した。

 2―2の同点で迎えた九回1死二塁、佐野春斗が思い切り振った打球は左翼手が追い付く前にバウンドした。二走の東恩納蒼が生還。値千金打のヒーローはチームメートから手荒な歓迎を受けながら、満面の笑みを浮かべた。

 それまでの打席は打ち取られていた。しかし「振れてはいたし、自分がアウトになっても(次打者がいるので)楽な気持ちだった」と振り返る。粘投していた東恩納が安打で出塁し、大城和平が犠打でつないだチャンスをものにした。

 3年前は最終回に4点を奪われ逆転された。4強入りならず涙をのんだ当時の反省は現チームにも引き継がれている。試合前日は比嘉公也監督から「(自分たちの)やることに集中しろ」と言われた。この日は最後まで集中力を切らさず、佐野は「その通りできた」と胸を張った。

 沖尚が最後にセンバツ出場したのは2014年。前年に沖縄で開催された九州大会は優勝を果たした。兄の健斗さんが当時のメンバーでもあった佐野は「優勝を目標に挑む」と先輩たちの後を追う。
 (金良孝矢)