復帰直後の沖縄〈50年前きょうの1面〉10月28日「B52 飛来総数103機、広がる抗議の渦」―琉球新報アーカイブから―


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 1972年5月15日に沖縄が日本に復帰してから今年で50年。27年間のアメリカ施政権下から脱して「祖国」の日本に戻るカウントダウンが進む中、本土との格差是正、自衛隊配備や米軍基地の取り扱い、ドル―円の通貨切り替え問題、初の知事選など、大きな歴史のうねりに翻弄される島の住民は山積する課題に直面する、そんな時代だった。復帰した後の沖縄の発展を展望しつつも、さまざまな制度変更にさらされる行政と政治。琉球新報の紙面もその歴史の一日一日を刻んでいった。

 

 日本「復帰」した1972年10月28日の琉球新報1面トップは、「B52 飛来、広がる抗議の渦/〝断じて許せない〟/嘉手納、きょう村民大会/飛来、総数は103機」との見出しで、米軍嘉手納基地へのB52戦略爆撃機の大挙飛来を受けて地元の抗議のうねりを伝えている。関連で「復帰協もあす/嘉手納村内で5千人の集会」との見出しで緊急県民大会の開催を告げている。

 さらに「ただちに撤去せよ/復帰協、米領事館に抗議」との見出しで、復帰協が米総領事館に抗議した様子を伝えている。政府サイドも「ただちに全機の撤去を/本名長官が要請」と、沖縄開発庁長官が外務省に「県民感情を考慮し、B52の即時撤去を米側に求めてほしい」と要請したとの記事を掲載している。これに対し外相は「沖縄がB52の避難基地として定型化するのは好ましくない―との立場から米軍に強く善処を求めた」と強調したという。だが、二階堂官房長官は野党の抗議に対し「飛来断れない」との対応をしていることも紹介している。

 ベトナム和平を巡っては「再交渉必要ない/北ベ代表/31日調印強く迫る」との見出しで北ベトナム代表団の姿勢を伝えている。さらに関連で「北爆を部分停止/米国防長官が発表/『和平』南ベは依然抵抗」との見出しで、米国の立場を紹介している。

 

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 5月15日で復帰を迎えたが、沖縄を取り巻く状況は復帰して変わったこともあれば、変わっていないこともあった。琉球新報デジタルは、復帰を迎えた沖縄のその後の姿を琉球新報の紙面でどう記したか、引き続きお届けしていきます。