普天間飛行場跡地、緑地・公園軸に 中間案9年ぶり更新 利用推進会議が会合


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米軍普天間飛行場の跡地利用を考える会合で、発言する出席者=27日、浦添市のピーズスクエア

 米軍普天間飛行場の跡地利用計画を検討する「普天間飛行場跡地利用推進会議」(会長・西田睦琉球大学長)が27日、浦添市のピーズスクエアで開かれた。本年度から第6次沖縄振興計画(振計)が始まったことに伴い更新された、普天間飛行場の跡地利用計画の前段となる「中間取りまとめ」(今年7月公表)を審議した。振計の基調となるSDGsの理念を取り入れ「世界に誇れる優れた環境の創造~みどり(歴史・緑・地形・水)の中のまちづくり」を将来像に据えた。中間取りまとめの更新は2013年以来、9年ぶり。

 新たに跡地中心部に位置する「大規模公園エリア」を核として街づくりを進める方針だ。このエリアの内外に130~170ヘクタールの公園と緑地を造る。さらに琉球大学病院が移転する西普天間住宅地区との連携も見据えた「振興拠点ゾーン」(70~170ヘクタール)を設定し、研究やビジネスの交流拠点とする。

 米軍接収前にあった旧集落や並木林跡周辺は「居住ゾーン」(85~160ヘクタール)として約8千戸の入居と小中学校、幼稚園の設置を想定する。前回から引き続き南北を貫く約17ヘクタールの縦貫道路も建設する計画だ。

 普天間飛行場は返還合意から四半世紀が過ぎた今もなお、返還時期が見通せないため跡地利用計画の策定には至っていない。県と宜野湾市は今後、「普天間飛行場跡地利用計画策定会議(仮称)」を設置し、計画づくりを具体化するほか、地権者の合意形成を得る取り組みもする。

 出席者からは「跡地利用について市民への情報発信が不足している」「市内の中心部に街のイメージ図を設置してほしい」などと指摘が上がった。

 宜野湾市老人クラブ連合会の宮本信弘会長は「今までの沖縄の跡地利用は商業施設中心となっていて、ああいう風にはなっていけない。緑地が広がることが大切だ。計画通りにいくかは地権者との合意形成が大切だ」と話した。

 「普天間飛行場の跡地を考える若手の会」の大川正彦会長は「普天間は沖縄の中でも一等地だ。大規模公園が造られるが、ただの公園にはならないように、世界中の素晴らしい公園を見て計画に反映していく。ぜひ国家プロジェクトして予算をつけてほしい」と述べた。 (梅田正覚)