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「雨でも楽しい」観光地へ 沖縄とハワイの平均気温・降水量<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 コロナの影響は続いていますが、国際通りを通ると観光客が増加しており、賑わいを取り戻しています。天気に恵まれ沖縄をエンジョイしてほしいところですが、雨が降ると楽しみが半減していないか心配になります。

 図は、沖縄(那覇)における過去10年の月別平均気温・平均降水量とハワイ(ホノルル)の月別気温と降水量の平年値を示しています。沖縄は観光シーズンの夏に降水量が多い傾向になっており、ほとんどの月で降水量が100ミリを超え、夏場は200ミリを超えることも多くあります。一方ハワイにおいては、降水量は比較的冬に多い傾向にあり、また、全ての月において降水量が100ミリを下回っています。平均気温も年間を通じて安定しており、1年中遊泳可能であるとのことで(冬は寒く感じることもある)、人気のリゾート地であることがうなずけます。

 第6次沖縄県観光振興基本計画において、将来像を「世界から選ばれる持続可能な観光地」と定めており、またその中で1人当たりの観光消費額と滞在日数の課題が示されています。沖縄とハワイの入域観光客数に大きな差はない一方、消費額と滞在日数に開きがあります。物価や移動距離、旅行者層などさまざまな違いはありますが、新たな屋内観光施設の開発や、既存施設を天気の影響を受けにくくするよう整備するなど「雨でも楽しめる沖縄」を確立することも、観光客の満足度と質を高める一つの方法であると思います。

 「雨が降っても楽しいから沖縄旅行しよう」となれば、うれしい限りです。

(おきぎん経済研究所研究員 新垣富宏)