首里城の復元願い木曳式 御材木が沖縄本島縦断109キロ


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首里城建築のため、材木を運ぶ様子を表現した「国頭サバクイ」を披露する奥間区の住民ら=29日、国頭村森林公園(大城直也撮影)

 11月3日に着工する首里城正殿の復元工事に向け、琉球王国時代の祭事に倣った「木曳(こびき)式」が29日、沖縄県国頭村の「国頭フェスティバル」を皮切りにスタートした。正殿の構造材として使われる同村産の御材木(おざいもく)「オキナワウラジロガシ」はやんばるの山から那覇までの約109キロを運ばれ、各地で県民の歓迎を受けた。

 木曳式は琉球王国時代、首里城の建築木材を搬入する時に行われた。今回の復元では同村楚洲、浜、安波の村有林から各1本が調達され、県産材の使用が可能となった。パレードでは楚洲産の樹齢98歳、長さ8.5~9メートル、重さ4トンの御材木が各地を巡った。

 道の駅ゆいゆい国頭で開かれた出発式では、令和首里城復興イベント実行委員会を代表し、高嶺賢巳県土木建築部参事が「貴重なオキナワウラジロガシを提供いただき感謝する」とあいさつした。

 出発式に先立ち村森林公園で開かれた国頭フェスティバルでは、琉球王国時代に歌われた奥間区伝統の木遣(きや)り歌「国頭サバクイ」の演舞を、同区の保存会メンバー47人が平成の首里城復元以来33年ぶりに同地で披露。観客から拍手が送られた。

 30日は午後0時半から那覇市の国際通りでパレードが行われ、31日、11月1日は中南部各地で展示される。11月3日には首里城に運び込む木遣行列が執り行われる。 

(岩切美穂)