「二度と起こさない」首里城火災から3年 那覇市消防局などが公園内で消火訓練 夜間と日中を想定、連携を確認


この記事を書いた人 Avatar photo 瀬底 正志郎
木材倉庫から火災が発生した想定の防災訓練で、放水する消防士ら=31日午前5時51分、首里城公園

 首里城火災から3年となった31日、那覇市消防局などの4団体は首里城公園内で消火訓練を実施した。正殿の復元などに使用する木材を保管・加工する木材倉庫の2階で日中と夜間に火災が発生したことを想定して実施。雨が降る中、関係者計210人は初期消火や放水、避難誘導の手順など、それぞれの役割や連携を確認した。

 訓練に参加したのは那覇市消防局のほか、沖縄総合事務局や県、沖縄美ら島財団。

 夜間の訓練が始まった午前5時半ごろ、木材倉庫の火災報知器が鳴り響くと、工事警備室に火災を知らせる無線が入り、警備員などの自衛消防隊が消火器などを使いながら初期消火を行った。通報を受けた那覇市消防局が工事車両用の仮設道路から消防車で近づき、放火用のホース3本を使って木材倉庫の外側から放水した。

 日中の発生を想定した訓練では、初期消火や放水訓練に合わせ、来場者役を速やかに現場付近から避難させる誘導訓練も実施された。「足元が滑りやすくなっているので、気を付けて避難してください」と自衛消防隊員が呼びかけながら誘導した。

 沖縄美ら島財団首里城管理課の町田宗紀課長は「あのような火災を二度と起こさないためにも、国や県、消防と連携を深めるとともに、防火管理を強化していきたい」と語った。那覇市中央消防署の新城敏行署長は「『火災を絶対に起こさない』という予防の意識をみんなで高めてほしい」と話した。